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大統領の日常
本編
第三十一話 準備
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首から艦尾まで何分で行けるかやってみるか。今度、適当に生贄(兵士)を捕まえてやってみよう。

「失礼しまーす」
寝てるかもしれないので小声で言うとそっとドアを開けて中に入った。

「・・・ん・・あ、ここは・・・?」
ちょうどよく起きたようだ。
「ここは艦内にある医療室だよ」
俺がそう言うと恐る恐るこちらに振り返ってきた。
「・・・あ、アドミラル・・さん・・・?」
どうやら前の世界の記憶も健在のようだ。(誰この人、とか言われなくてよかった)
「ああそうだ。提督だよ」
「えっと・・私はベーリング海で戦っていて・・・」
「あの戦闘の後、偶然プリンツが漂流してるのが見つかってね。それで保護したってわけだ」
「そうだ・・・レーベは!?マックスは!?他のみんなは無事ですか!?」
「・・・・・」
「そんな・・・・」
「残念だが、撤退したのは30隻ほどだ。他は全艦轟沈した。そのレーベとマックスが生きているかは・・・」
「みんな・・・・う、ううう・・・・」
これも全部あのゴミ貴族どもが艦娘を大量建造して捨て艦として使いまくったからだ・・・270隻以上だ
っ、270隻以上もの艦娘が轟沈した!恐らくこの数はこの戦いが続く限り増え続けるだろう・・・

俺は榛名にプリンツを任せて部屋を出た。
部屋を出るとき、プリンツの鳴き声が耳に響いた。


西暦2115年 12月 4日
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト


俺が仮司令部の司令室で部下の報告を受けていると扉が勢いよく開けられ、兵士が走りこんできた。

「なんだ!入るときにノックぐらいしないか!重要な話をしていたらどうするんだ!」
俺の怒鳴り声にも動じず、兵士は口を開いた。
「そ、それが・・・」
兵士が言い終わる前にまた一人男が入ってきた。
「ちょっといいかな」
「大統領!?」
なぜここに大統領が?いや考えるのは後だ。直ぐに応接室にご案内しないと。
「閣下、隣の応接室にて伺ってもよろしいですか?」
「ああ、そうだな。そのほうがいいだろう」
俺は部下を下がらせて大統領を応接室に案内した。

「・・・で、いかなるご用件でしょうか」
緊張しているせいか少し声が震えた。
「一つ頼みたいことがあってな」
「頼みたいこと、ですか」
大統領は傾くと再び話し始めた。
「私が艦娘と深海棲艦を連れてここにきているのは知っているな?」
「存じております」
忘れるはずがない。軍艦に少女が乗ってあろうことかその軍艦を動かしているのだから。それに深海棲艦、確か5万隻ほどだったか。あの数にはさすがに仰天した。が、よく見れば一隻がとても小さく、人に何か機械がついている程度だった。話によると火力は普通の艦船並にあるそうだ。どうやったらあんなに小さくできるのか、一度教
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