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有名人の特権
第五章
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も発破をかけるのだった。
「時田君自身にもそう言うよ」
「この場を借りて」
「うん、若い時の僕とかね」 
 そのダーク博士のことも話すのだった。
「よくやってくれているよ」
「あの物真似ですね」
「いや、だからこれからも彼はね」
「時田さんは」
「僕の物真似どんどんやって欲しいよ、公認するよ」
 本人が、というのだ。こう言うまでになるのだった。安曇谷は上機嫌にさえなっていた。ただ都に仕事の後でこう言うのだった。
「けれど博士はね」
「ダーク博士ですか」
「僕は高卒なんだけれどね」
 笑ってだ、このことについても言ったのである。
「博士なんてとても」
「博士号ないと博士じゃないですからね」
「大学、大学院の博士課程を出ているか最低でも」
「博士論文を書かないと」
 そうしないとなのだ、博士になるには。
「なれないからね」
「だからですね」
「とてもね、僕は勉強嫌いだったからね」
「それでも演じた役は博士だったんですね」
「そうだったんだよ、プロデューサーの人がこの役には僕だって言ってね」
 それでだというのだ、こうしたことも話したのだった。


有名人の特権   完


                          2014・10・26
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