第二章
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「それかしら」
「気ね」
「気はあるわね」
「まあそれはね」
これは私もあると思う、だから慶子に答えることが出来た。
「オーラとかね」
「あるじゃない、ダンバインだって」
「ああ、兄貴が好きだったわ」
そのアニメはだ。
「プラモ作って一杯部屋に置いてるわ」
「へえ、英美のお兄ちゃんってプラモ好きなの」
「ガンダムからそっちに乗り換えたのよ」
ダンバインにだ。
「そうしたのよ」
「成程ね」
「そう、まあ気ならね」
「あるわよね」
「ええ、小宇宙はね」
それはなのだった。
「あるでしょうね」
「気って考えたらね」
「感じたことはないけれどね」
これはないと言えた、はっきりと。
「全然ね」
「それは私もよ」
「そうよ、とにかくね」
「第七感は、なのね」
「ないから」
あらためてだ、私は慶子に言った。
「というか漫画のことをいちいち間に受けてたらきりないわよ」
「幾ら面白い漫画でも」
「漫画は面白く描く為に色々考えているのよ」
その設定をだ。
「だからね」
「架空の設定なのね」
「じゃあ何よ、目に耳にお鼻にお口に触ってで」
この五感からだった。
「勘とね」
「もう一つの感覚っていうと」
「ないでしょ」
こう慶子に対して言った。
「他は」
「思いつかないわね」
「悟りでも開くの?」
「シャカ?」
お釈迦様ではなかった、慶子は本当にあの漫画に夢中なのだとあらためてわかった。
「バルゴの」
「黄金ね」
「ええ、あの人達全員悟り開いてるのかしら」
「あの人達殆ど全員悟りとは縁遠いでしょ」
その性格も行動もだ。
「どう考えても」
「それもそうね」
「そのバルゴの人にしても」
「意外と短気よね」
慶子はあっさりと私に答えた。
「しかも執念深い?怒らせた相手に延々とえげつない攻撃仕掛けるし」
「慈悲の心ないでしょ」
「確かにね」
「だからね」
「悟りでもないのね」
「ないわよ」
また言った私だった。
「何度も言うけれど漫画だから、小説もアニメも同じよ」
「物語なのね」
「物語の設定なんて作ろうと思えば幾らでも作られるのよ」
あの漫画こそその証左だと思う。
「だからね」
「第七感は本当にないのね」
「ないわよ、さっきから何度言わせるのよ」
「面白いないわね、それはまた」
「あの漫画が面白いからいいでしょ」
「そうね、ただあの漫画も何時かはね」
急にだ、慶子はここでこれまでの漫画の内容を鵜呑みにしているどうかと思う顔からだ、真面目な顔になってこう私に言った。
「終わるわよね」
「はじまりがあればね」
「絶対に終わるわよね」
「作者が放り出さない限りはね」
「あの人そういうことはしないタイプらしいから」
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