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傭兵
2部分:第二章
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かる。一国の君主にも相当する地位と名誉、それに富がある。言うならば教会の君主達である。その彼が軍に話をしているのだ。
「宜しいですかな。あれは神に逆らう異端の軍ですぞ」
 こう告げている。
「ですから容赦は無用。いいですな」
「まずくなったらいつも通り逃げるのだ」 
 その話をしているすぐ側でロレンツォがこう部下の兵士達に話をしていた。平野の向こう側にいる皇帝軍には目もくれず自分の兵士達と話をしているのだ。
「ばれないようにな」
「ばれないようにですか」
「安全な場所にまで一時退避だ」
 こうも言い替えてもみせる。
「その時にはな」
「やはりばれないようにですね」
「では聞こう」
 急に真顔になっての言葉だ。
「イタリア男が命をかける時は何時だ」
「そんなの決まってますよ」
「言うまでもありませんよ」
 兵士達は胸を張って口々にその言葉に答えるのだった。

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