暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦六日目(4)×女子アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦深雪対雫
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わね。雫)」

押し寄せる霧は冷気であり、それによって融解を妨げる魔法はこの攻撃には意味がない。

「・・・・『ニブルヘイム』だと?どこの魔界だ、ここは・・・・」

「まあ率直な感想だとそうなりますが、深雪様にとってはよく使う魔法でもありますからね」

広域冷却魔法『ニブルヘイム』は、本来領域内を比熱、(フェーズ)に関わらず均質に冷却する魔法である。応用的な使い方として、ダイヤモンドダスト(細氷)にドライアイス粒子、時に液体窒素の霧すらも含む大規模冷気塊を作り出し攻撃対象にぶつける使用法もある。その威力は、今最大レベルに引き上がっていた。

「『氷炎地獄(インフェルノ)』には驚いたけど『ニブルヘイム』まで使えるとは、深雪さんの本気はどこまでなのでしょうか?」

「僕らは分からないけど、恐らく一真本人なら分かると思うな〜」

「液体窒素の霧が雫の陣地を通り過ぎていますが、深雪さんの目的は何でしょうかね?」

「雫の氷柱(ピラー)には、液体窒素の滴がびっしりと付着してますから、氷柱(ピラー)の根元には水溜りが出来ていますからそれが狙いだと思いますね」

「お、再び『氷炎地獄(インフェルノ)』を発動させたからか、『情報強化』をしようとしても新たな付着物により作用してないから。これは深雪の勝ちだねえ〜」

気化熱に冷却効果を上回る急激な加熱により、液体窒素は一気に気化する事で、膨張率は七百倍となった。轟音を立てて、雫の氷柱(ピラー)が一斉に倒れたというより滅によって無くなった。倒れた轟音ではなく、蒸気爆発の音そのものだった。氷柱(ピラー)はその表面が粉々に砕けて、爆発の激しさを物語っていた。

『試合終了!勝者、第一高校織斑深雪さん』

そう告げると、深雪と雫は一礼をしてからステージから降りて行く。そこから俺のターンとなるが、選手控え室にいた名無し=一真は、黒の戦闘服から今年夏に発表された男性用のファッション服を着ていた。待っているようにしていると、深雪と雫がこちらに来たのだった。
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