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夢のような物語に全俺が泣いた
サポーター
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「はい。見たところお一人のようだったのですが…お二人様だったんですね。
冒険者さん自らがバックパックを装備していらっしゃったので…もしかしたら、と」

「ああ…」「へぇ…」

「それでお兄さん、どうですか?サポーターは要りませんか?」

「それが…調度居たら良いなって思ってたところで…」

何か訪問販売の現場を見てるみたいだな…。

「おお!それならリリを連れていってもらえませんか!?
冒険者さんのお役に立つため、精一杯頑張りますよ!」

「……どうでしょう?」

「ん?パーティーリーダーはベルな訳だし、ベルが決めて構わないぞ?
サポーターとやらが魔石やドロップアイテムを拾ってくれるのなら、その時間が短縮されて戦闘訓練にも回せる。効率を見るのなら、効果的だとは言えるだろうな」

「…そうですね!
じゃあリリルカさん、よろしく御願いします」

「ありがとうございます!」

さて、どう転ぶのか…ね?








「ふっ!はぁっ!」

『ギシャアアッ!』

現在位置は7階層。
ベルが前線に立ち、繰り出した大薙ぎの一撃でキラーアントの胴を真っ二つにする。

ダンジョンにおいて、5〜7階層の魔物の生産間隔がより短くなっているようで、
キラーアントを始めとし、面倒臭い魔物が次々に沸いてくる。
その際に数で押されるのが一番多い死に方となっているようだ。

それがソロであればその厳しさがより際立つ事になる。

今の現状を見るのなら、ベルがソロ同然に大立ち回りしており、
涌き出るモンスター達を安定感を持って倒していっている。

『ジギギギギギッ!』

「あぁ、そっちには行かせないぞー」

『ギッ!?』

天上から降ってくるパープルモスの羽根を切り裂き、
宙に浮いた状態で細切れにする。
勿論魔石は傷つけないように注意を払うので、肉体を失ったパープルモスは魔石を残して消え去る。

「やぁぁぁあ!」

声をあげながらベルが向かう先には、2匹の蟻。

『――ガッ!?』

強烈な刺突を、敵の胴体中央に見舞う。
硬い甲殻さえ、ものともしないナイフの一撃は命を刈り取るには充分過ぎる威力だった。

「あのナイフすげぇな…」

そう言わずにはいられない。
ベルがもつナイフ。銘は『ヘスティアナイフ』。
ベルの主神であるヘスティアから送られた唯一つのオーダーメイドである。
その刀伸には神聖文字が刻まれており、ベルが持つことで効果を発揮するベル専用のナイフだ。

「お二人ともお強ーい!」

強い、か。
確かにベルは日を跨ぐごとに強くなっているのは分かる。
しかし彼が目標にしている対象にはまだまだ遠く及ばないだろう。
アイズ・ヴァレ
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