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リリなのinボクらの太陽サーガ
炎上
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た。

畜生……俺とした事が、すぐ近くの暗黒物質すら見つけられないとは! 迂闊過ぎた自分に怒りを通り越して呆れすら抱く。言い訳をさせてもらえるなら、俺は別に感覚を鈍らせるような真似はしていない。という事は……なるほど、俺の身体に限界が訪れつつあるから、あらゆる感覚が遠くなってしまってるらしい。今の所五感で衰弱しているのは、聴覚、触覚、の二つ。更に暗黒物質の探知力も低下している……ラタトスクの動向には特に注意していたはずなのに、微かな暗黒物質の気配を見逃したせいで……クソッ!

[お兄さん……]

「[……おまえ達が責任を感じる必要は無い。全て承知の上で、俺がそうしたのだ。余計な罪悪感なぞ抱かれては、むしろ侮辱とみなすぞ……!]」

[うん、お兄さんならそう言うと王様もシュテるんもわかってるよ。わかってるけどさ……やっぱり納得がいかないよ。なんで……なんでお兄さんが全部背負っちゃうの!? 苦しい事も! 悲しい事も! 辛い事も、全部全部全部!! 少しだけでもいいから、ボク達にも背負わせてよ……! ねぇ、お兄さんの痛みを分けてよ……! 自分の命がもうすぐ尽きるからって、何でもかんでも受け入れちゃわないでよ!!]

「[受け入れる? 違う……これは戒めだ。俺が俺であるために、俺を律するために決めた、俺自身の法だ。そう簡単には変えられないさ]」

[じゃあさ……お兄さんにとって、自分って何? 自分自身の事をお兄さんはどう思ってるの?]

「[……俺が俺自身をどう思う、か。俺の命も残り僅かだから、今更考える気にもならなかったな、そんな事]」

[短い命だからって、そんな悲しい事言わないでよ……。自分の事、もっと大事にしても良いんだよ……お兄さん]

大事にと言われても、俺が俺自身をどう大事にすればいいのか、よくわからない。だから俺にわかる範囲で出来る事をやろうとしているだけなのだが……レヴィ曰く、それは俺自身を大事にしていない事になるらしい。ちょっと難題だな……。

「………行くぞ、おまえ達。ここに留まっても……何も出来ない。それにファーヴニルの封印は今にも解かれようとしている……ラタトスクのコントロール下に置かれようと置かれまいと、絶対存在の完全な覚醒はこの世界の崩壊を意味する。その前にこの世界から脱出するぞ」

「ぐす……っ……ここから出た所で、私達は……どこに行けばいいの。管理局がこれをやったのなら、事情を知っている人はきっと逃がさないように手配している……だから……もう終わりなんだよ、私達……もうおしまいなんだ……」

『サバタ様……私も、管理局……次元世界の人間はもう誰も信じられないよ。もうあなたしか信じれる人がいない……だけどこんな事が起きてしまった。私達には、どこにも居場所は無い……狩りに追いやられる獲物のご
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