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リリなのinボクらの太陽サーガ
炎上
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俺達がヴェルザンディ遺跡の探索を始めてから、大体6時間経った。序盤はトラップ地獄や試練の門、中盤は罠を避けながらアンデッドを大量に滅していき、とうとう俺達は遺跡の最深部が近い雰囲気が漂う階層へとたどり着いた。だがこの階層は、一見するだけでこれまで通ってきた場所と明らかに異質である事がわかる。

魔導結晶で構築された空間……一面光り輝く世界でありながら、真実を知る者には寒気が走る場所。ニダヴェリールの力の源であり、死んでいった命の終着点。

「遺跡の奥がこんな所に繋がっていたとはな……興味深い」

「綺麗だけど……悲しい光景だ。まるで星の体内とでも言うべきかな?」

「う〜む、今まで通ってきた所は人工的だったのに対し、ここから急に自然的になってるね。……いや、もしかしたらヴェルザンディ遺跡の建設理由はこの場所に関係しているのかも。何のために古代人がこの上に遺跡を作ったのか、この先に答えがあるのかもしれないや」

『行ってみないとわからないってことか。……シャロンは大丈夫? 最後まで行けそう?』

「うん……ありがと、マキナ。結晶の真実も結構ショックだったけど、ここまで来た以上、私はこの世界の事を全てを知りたい。……だから、それまで耐え抜いてみせるよ」

ほう……少しは言うようになったじゃないか。体力がそれなりにあるのは知っていたが、ここに潜ってから精神も意外とタフになってきたシャロンの言葉は頼もしく感じられる。ここまでの探索で疲れもそれなりに蓄積しているものの、俺達は再び歩を進める。
ここまで来ると元となる死体がほぼ大地に溶け込んでいるためか、アンデッドの姿は一つも無かった。中盤にいたグールやマミーは全て俺が倒しているが、あいつらに暗黒物質を注いだ大元がまだ残っているはず。結晶の反射光でチカチカ目が眩むが、何とか警戒しながら探索の範囲を広げていく。

「おわっと!? あ、危なかったぁ……」

「おいユーノ。こんな所で足を滑らして落ちたら、あっという間に結晶の養分になるぞ。気を付けろ」

「しかし兄様、ここを初見で突破はかなり厳しいと思うよ? だって道が見えないんだもの……」

ネロの言う通り、この“結晶域”は地上でアクーナに行く時に通った近道のように、見えない太陽床が所々存在していた。探索を始めてから6時間という事から、少々急がないと太陽が沈んで床が消えてしまう。だが俺達はまだこの見えない太陽床の位置を掴み慣れていない……急ぎたいのに急げないというのは、精神的に中々焦る。

その時、シャロンが俺達の一歩前に出る。

「ここは私の出番みたいだ。感覚的にだけど、私ならこの床の位置を見つけられる。昨日のように私の後をついて来て」

『うん、この床の位置の把握はシャロンに任せれば大丈夫だね』

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