Episode38:終幕
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者の熱意が感じ取れる。
それを聞いて、隼人はようやく合点がいった。
「ああ、成る程。
お嬢様、私はそこまでヤワな男ではありませんよ?」
どうもこのお嬢様は、怪我が原因でダンスができないと思ったらしい。
少し気障ったらしい言い回しをした隼人に、エイミィは顔を上げた。
「踊ろっか、エイミィ」
「喜んで!」
満面の笑みで、エイミィは差し出された隼人の手を取った。
「はぁー、疲れた」
エイミィとのダンスから暫くして。
未だ管楽器の音色は会場に響いているが、隼人は小休憩のために少し離れたところにいた。
「一日でこんな踊ったのは初めてだよ」
エイミィと一曲踊り終わった後で、隼人はすぐ様多くの女の子に取り囲まれ、そして一人ずつ順番に踊ることになったのだ。同じ高校ならともかく、まさか別の高校の人からも誘いが来るとは思っておらず、あまりの大人数に流石に笑顔が引きつった。
パーティはもう終盤だろう。
真由美、摩利、鈴音、あずさ、ほのか、深雪などなど、色々な人と踊ったためか、時の流れが早く感じる。
「あれ、そういえば????」
「隼人」
一人、まだ踊っていなかった人に思い至った時、後ろから声を掛けられた。
「やあ、雫」
「ん。体は大丈夫なの?」
会う人々にそう問われて、苦笑いを浮かべるしかない。それも、大体その言葉がダンスへの誘い文句であるのだ。
「大丈夫だよ。
?????踊るかい?」
「うん。踊ろ」
「お手をどうぞ、お嬢様」
差し出した包帯が巻かれた手に、女の子らしい華奢な手が重なった。
華やかな夜。前日までの戦いを忘れて、少年少女は踊る。
ここに、九校戦は幕を閉じた。
ーーto be continuedーー
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