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魔法科高校の神童生
Episode38:終幕
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 聞いての通り、エリナの兄を殺したのは俺だし、君をここまで苦しめたのは、紛れもなく俺が原因だから。それに、仇も討てなかったし」

 エリナが心に隙を作る程に、五十嵐修哉という存在は大きかったはずだ。
 それを、彼は屠った。
 無頭竜を潰すという約束も、未だ達成されぬままだ。東日本支部も達也に先んじられ、殺すことはできなかった。

 エリナに対して、散々なことをやってきた。その自覚があるからこそ、彼の左手は行き場を失い、虚空を掴む。

「傍にいて欲しいっていうのは、俺の我儘だ。勿論、君に言う通りにしなくてはならないなんて制約はないんだから、去ってくれても構わない。それでも物足りないないのなら、また、襲いかかってきてもいい。君には、その権利がある」

 虚空を掴んだ左手は、ヨロヨロと垂れ下がり、彼の両目を隠す。
 彼が何を考えているのかは、震える唇で分かった。

「だから?????モガッ…」

 だから、その薄らと開かれた口に、一口サイズに切ったばかりの林檎をねじ込んでやった。

「な、なにすんのさ」

 シャリシャリと林檎を咀嚼しながら講義の目を向けてくる彼に、エリナは微笑んだ。

「私は、私の意思で先輩の傍にいることに決めたんです。もう、嫌だと言っても離れるつもりはありませんから!」

「??????っ」

 目を白黒させる彼を見て、一本取ったような、そんな優越感を覚えた。
 そんな何気ない一時が、とても愛おしく思える。だから、自分はここにいると決めたのだ。

「覚悟しててくださいね、先輩!」

「はは、お手柔らかに頼むよ」

 憑き物が落ちたかのように、彼は笑顔を見せた。



☆★☆★



 夜。
 なんとかパーティのみ参加という外出許可を貰った隼人は、第一高校の制服を身にまとって会場へ訪れた。
 エリナは木場と一足先に帰っていった。どうやら〆切が迫っているらしく、木場の連絡端末にはひっきりなしにメールが来ていたが、まあ、気にしないでおこう。

「あ、隼人!」

「やあ、なんか久しぶりだねエイミィ」

 会場に現れた隼人を真っ先に見つけたのはエイミィだった。その手には既に飲み物が入っていたであろう空のグラスが握られている。 

「うん。体はもう平気なの?」

 近くにいたウェイトレスにそのグラスを渡して、エイミィは隼人の体をペタペタと触りだした。
 どうも、くすぐったくて思わず身を捩る。

「まぁ大体はね。ああでも、激しい運動は禁止だって言われたかな」

「……そっか」

 隼人の言葉を聞いて、エイミィは何故か悲しげな表情を浮かべて俯いてしまった。
 どうしたんだろう、と首を傾げた時、管弦楽団の演奏が始まった。生演奏という所に、主催
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