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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
本拠の守り
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うわけで、こんなギフトゲームを提案してみる」

一輝はそう言ってウィラに一枚の契約書類を差し出した。

『ギフトゲーム名 “この先進入禁止”
    ・プレイヤー一覧 ウィル・オ・ウィスプに無断で侵入した者全て
    ・プレイヤー側勝利条件 主催者との一騎打ちに勝利すること
    ・主催者側勝利条件 侵入者の殺害

    ・備考 このギフトゲームに降参は存在せず、参加者の死亡か主催者の敗北でのみ終了する

 宣誓 上記を尊重し誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
         ノーネーム所属“鬼道一輝(蚩尤)”印』

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

一輝の差し出した契約書類を見た“ウィル・オ・ウィスプ”の全員が絶句である。いやまあ、分からないではないのだが。

「この契約書類を進入しようって意志を持った人の前に現れるように設定して、ついでに門とか一部の壁とかに貼っておけば入ろうってやつはないだろ」
「いや確かに、主催者にアンタの名前がある以上入ってくるやつはいないだろうけど・・・」
「それにしたって、えげつない・・・」

さらっとこんなギフトゲームを提案してきたことに対して『えー』という視線を向けるが、一輝はそんなこと気にもしないで食事を進めている。一部の子供たちは主催者権限によって作られた輝く契約書類を見て目を輝かせているのだが、それはご愛嬌。憧れのようなものがあるのだろう。

「そんでもって、入ってきたとしても俺の前に強制転移。そんでバトル。なんとでもなるさ」
「まあ、でも・・・うん。確かにこれなら、本拠は守れそう」
「そゆこと。勿論ながら“ウィル・オ・ウィスプ”のメンバーは入れるから安心してくれ」
「なら、これでお願い」
「了解した」

ウィラから直接許可を得たところで、一輝は指を一つ鳴らす。その瞬間に彼が持っていた契約書類は消えてギフトゲームが開催された。

「んじゃ、今後の方針も決まったことだし・・・明日になったら“ノーネーム”に戻ることにする。建物が出来たらまた連絡するから、簡単な準備だけはしておいてくれ。・・・つっても、俺の上層巡りが終わってから立て始めるから、まだまだ先になっちまうんだけど」

一輝がその場にいる全員にそう伝えたところで、ようやく食事が再開された。ひとまず決まったのは、“ウィル・オ・ウィスプ”の“ノーネーム”への移動に、“ウィル・オ・ウィスプ”本拠の安全。珍しく何もなく平和なものである。

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