38話 vivid本編開始
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「断空拳!」 「獣王拳!」
両者の技は中央で激突し周囲に衝撃波を生じさせる。だが、両者の技が拮抗したのは僅か一瞬だった。
獅子の拳は覇王の拳を食い破り体に突き刺さる。そのまま吹き飛ばされた覇王は地面を転がって止まる。起き上がってくることはなかった。
「こんなもんか「やり過ぎだ!」」
覇王が起き上がってこないのを確認して構えを解いたユウにノーヴェの蹴りが飛んでくる。
「危ないな」
「余裕で避けといて言うな!あそこまでやらなくてもお前なら勝てただろ!」
今回の手合わせでユウは覇王の自信を粉々に打ち砕いて見せた。攻撃、防御、頼みの大技さえも正面から打ち砕いた。精神力の弱い人間なら武術を辞めかねないほどのダメージを負ったことだろう。
「これでも手加減はしてる。大きな怪我も負わせてない」
「あたしが言っているのは精神的な問題だ!」
「この程度で辞めるなら それまでだろ。それにこいつがベルカの王の打倒を続けるなら何時か叩きのめされる日がくる。こいつの実力じゃあ、俺の知り合いの王の末裔には絶対に勝てないしな」
ユウの頭には雷帝の末裔であるヴィクターの顔が浮かんいた。覇王の実力では一撃を入れることすらできずにヴィクターに負けることになるだろう。
「だけどよぉ」
「何より、屠ふるなんて軽々しく口する奴に必要以上の手加減をする気はない」
過去に殺されかけたことのあるユウは殺すなどの、命を奪う意味を持つ言葉を嫌っている。
覇王はノーヴェとの会話の中で《弱い王ならこの手で屠ふるのみ》と言った。屠ふるは殺すの同義語にあたる。覇王がどういう意味で使ったかは不明だがユウには弱い王〈人間〉なら相手の都合も関係なく殺すという意味にとった。嫌いな言葉を使い、大切な妹分に理不尽に手を出す輩に容赦する気はユウにはなかった。
「見たところ。こいつは高校生ってところだ。屠ふる何て言葉を平然と使うのを俺が許容してやるのは精々、中学生くらいまでだ」
「中学生とかだったらどうしてたんだよ?」
「ここまではしないけ……あ?」
ノーヴェと話をしていると気絶していた覇王の体が光始める。そして光が収まるとそこには。
「げっ!」
中学生くらいに縮んだ覇王がいた。
「変身魔法……か?」
中学生くらいのを少女にやり過ぎな倒し方をした事実にユウは冷や汗を流す。そんなユウの肩にノーヴェは手を叩く。
「姉貴とティアナに連絡しような」
「……はい」
この後、ユウは駆けつけたティアナとスバルに説教されることとなる。
気づかなかったとはいえ、やり過ぎたことは事実なのでユウは甘んじて説教を受けたのだった。
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