第一章
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七星羊皮
中華人民共和国雲南省昆明もだ、近頃は発展してきた。人の身なりも建物も急激によくなってきた感じがある。
その為か人々は忙しい、それはこの街で料理屋で学生をしつつ働いている趙夏姫も同じである。最近とかくだ。
仕事の時間が増えてだ、それで学校でぼやいていた。
「お金は入るけれどね」
「身体が辛い」
「そう言うのね」
「結構肩にきてるわ」
働き過ぎで肩凝りになっているというのだ、クラスメイト達にも言うのだ。
「それが辛いのよ」
「ってあんたまだ十九よ」
「十九歳で肩凝り?」
「それはまた随分おばさん臭いわね」
「その歳で鍼治療受けるとか?」
「お灸とか?」
「もうおばあさんみたいじゃない」
クラスメイト達は夏姫に呆れた顔で返した。
「働くのもいいけれど」
「最近無理がたたってるってことね」
「肩凝りも放置してると危ないわよ」
「疲れは取らないとね」
「学校行って勉強してアルバイトもして」
その面長で切れ長の目の顔で言う。黒髪は後ろで束ねていて細い眉は流麗なカーブを描いている。腹はやや褐色で鼻は高い。背は一六五位ですらりとしている。
その彼女がだ、腕を組んで言うのだ。
「中華料理のお店でね」
「朝早く起きて夜遅くまで学校とアルバイト」
「まさに苦学生ね」
「それで肩凝りにもなっている」
「そういうことなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「今この疲れをどうしようかって悩んでるのよ」
「お金、あるのよね」
クラスメイトの一人がここで夏姫に問うた。
「そうよね」
「そっちはあるわ」
実際にとだ、夏姫は答えた。
「学費も生活費も賄って結構遊べる位にね」
「働いているだけに」
「そう、お金はあるのよ」
伊達に疲れを感じる程働いてはいないというのだ。
「そこまではね、ただね」
「使い道がない」
「お金があっても」
「そうなのね」
「もっと言えば使う時間もないわ」
それすらもというのだ。
「だっていつも夜遅くまで働いてるのよ」
「シビアな問題ね」
「最近我が国も労働時間が言われだしてるけれど」
「それでも働かないとね」
「お金は貯まらないからね」
「お金があるのはいいけれど」
それでもと言う夏姫だった。
「使い道がないし」
「朝早くとかは」
ここでだ、クラスメイトの一人が言って来た。
「どう?」
「早朝?」
「休日はあるわよね」
「週六日勤務だけれどね」
「そうした日は学校もないわよね」
「流石にそういう風にしてるわ」
身体を完全に休める日を作る為にだ。
「そうした日はね」
「そうなのね」
「それじゃあね」
「そう、早朝にね」
「行ってみたら?」
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