踏み外した歴史編
第7話 戒斗の描く世界 A
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巴は量産型ドライバーを装着し、アーモンドの錠前を開錠した。
「――なんとなく、あなたとはこうなる気がしてたわ。関口巴さん」
時間の修正力は絶対。耀子がそう言うこともまた、歴史にとっては規定事項。
耀子がゲネシスドライバーを装着し、ピーチのエナジーロックシードを開錠した。
「「変身」」
《 ソイヤッ アーモンドアームズ ロード・オブ・白鹿毛 》
《 ソーダ ピーチエナジーアームズ 》
巴を乳黄色の鎧が、耀子を桃の甲冑が装甲し、白鹿毛とマリカへと変えた。
『アーマードライダー白鹿毛、参ります』
『アーマードライダーマリカ、行くわよ』
二人の女は同時に地を蹴った。
目の前で唐突に始まった女同士の戦いに、ザックは混乱する頭でどうすべきかを必死に考えた。
戒斗は人間態に戻り、ザックが爆弾を仕掛けた場所の近くに戻った。
白鹿毛と戦っているマリカには戒斗を守る余裕がない。
(関口がどんな思惑でここに来たんだとしても、今が絶好のチャンスなのは間違いない!)
ザックはズボンのポケットに手を入れ、起爆スイッチを――持ったその手を、桃色の流れ矢が掠め、鋭利な痛みにザックは起爆スイッチを手から取り落とした。
『あなた……』
マリカ自身、その矢は意図して放ったものではなかったらしく、ザックが落としたそれを見て驚いていた。
『よくもそんな姑息な手段で、戒斗を!』
ザックに向け、今度は明確に放たれるソニックアロー。変身しなければ。否、変身しても恐らくは避けきれない――
その矢をザックが受けることは、なかった。
ザックの前に白鹿毛が飛び出し、その身を盾にソニックアローからザックを守ったからだ。
ダメージを負ったことで巴の変身が強制解除され、倒れる。
(俺の務めだ)
ザックは落とした起爆スイッチをスライディングして拾い、押した。
『戒斗!』
マリカはザックへ放ったソニックアローが中らなかったと認めるや、創世弓を捨てて戒斗へ駆け寄った。
爆発が戒斗とマリカの両者を巻き込み、屋上から宙へ吹き飛ばした。
もし爆発のダメージで足りなかったとしても、この高さから落ちれば助かるまい。
ザックは屋上の手摺に駆け寄り、地上を覗き込んだ。
そこには、ザックにとっては意外で、しかし大局的には当然の光景があった。
蔓だ。ヘルヘイムの植物の蔓がトランポリンのように張って、戒斗と耀子を受け止めていた。
戒斗は落下の最中にヘルヘイムの植物の蔓を操って編み上げ、自身の体を受け止めさせたのだ。
だが、落下の勢いを殺しきれなかったのか、蔓の網は限界
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