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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
怪物祭 1
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「ということだ。お嬢さん。君も僕の美しさに目を奪われるのは構わないが、今回のお客さんは一人で定員オーバーなんだ。別の機会を待っていてくれたまえ」

あんに、逃げろと言ってくれているのだろうか。それとも、本気でそんなことを思っているのか、少女には判断がつかなかった。
が、もう足は動かせるようで、問題はない。少女は立ち上がると、目の前の男に一礼し、足早に駆けていった。

「さて、熊くん。僕と君の舞曲(ロンド)を始めようじゃないか」

『グラァゥァッ!!!』

役者のように両腕を広げたエイモンドにバグベアーの爪が襲いかかる。
が、エイモンドはこれを容易く回避。空いた懐へと潜り込むと、目の前に迫った腹を軽く蹴りあげた。

『グワッファッ!?』

しかし、それだけで体が浮き上がり、体勢を崩した状態でバグベアーは頭から石畳へと突っ込んだ。

「フッ、乱暴だなぁ。そんなに焦らなくとも、僕のこの美貌は変わらないよ」

まるで、自身を脅威とも感じていないその口ぶりに、バグベアーは怒りを覚えた。

そして、駆け出す。

自身の最高スピードで駆け、武器となる腕を振るう。



「まぁ、そう乱暴にならないでおくれよ、熊くん」

パンッとその腕が払われたかと思えば、次にはその腕を掴まれ、投げ飛ばされる。
一瞬で起きた出来事に困惑しながら、バグベアーは宙を舞った。

Lv4の冒険者。エイモンド・エイナルド
二つ名は【極光の陶酔者(ナルシスト)

その名の通りの男であるが、実力は本物。
そして、パーティ内で回避盾を務める彼の真髄はその回避能力の高さにある。

魔法で敵を集め、回避と反撃を得意とするエイモンドにはこの程度造作もないことである。
そして、エイモンドは恐れない。
何匹のモンスターに囲まれようとも、いかにる攻撃を振るわれようとも、エイモンドは怯まない。
レアアビリティ【陶酔】。
Lv2で発現したこの発展アビリティは、恐怖への耐性の効果を持つ。
故に、エイモンドは怖くない


『ガルァァアアアアア!!!』

何度も何度もバグベアーの腕が振るわれるが、その攻撃は当たるどころか、掠めもしない。
やがて、バグベアーは息を荒くし、目の前の敵を見る。

うっとおしい光を放つ獲物はまだまだ余裕。それどころか、挑発するかのように前髪を払った。

「フッ、君がその様子なら、そろそろ舞曲(ロンド)は終わりかな?」

『ウオォォオオオオオ!!!』

果敢に攻めかかってくるバグベアーにエイモンドは笑みを崩さず、余裕を崩さず、回避を繰り返す。
そさて、紡がれる言葉

「【敵を穿つは雷光】」

並行詠唱

膨大な集中力と正確な詠唱を要する魔法を何かと同時進行させな
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