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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
怪物祭 1
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さんがニヤッと笑った。

「えっと、何がですか?」

「あんな大物、普通はトリのはずよ。こんな途中で出すのはおかしいわ」

「だね。これよりすごいのがいるのか、もしくわ……」

「出さざるをえない、なにかが起きた……ってところかな」

バルドル様の意見に、ええ、と頷くハーチェスさん。

「さっきから、【ガネーシャ・ファミリア】のやつらが忙しねぇ」

「てこは、後者っすね」

目の前で行われている怪物祭(モンスターフィリア)そっちのけで話を続ける。
少し考え込むような仕草を見せたバルドル様は、よし、と呟くと指示を出し始める。

「皆、今日は武器は?」

「……いえ、所持してません」

「同じく」

「今日はお祭りでしたので、恐らくは皆、持ってはいないかと」

そりゃそうだ。武器なんてもっていたら、それだけで周りの一般人に警戒心を抱かせてしまう。
祭りで楽しむぞっ!って時にそれはダメだというハーチェスさんの指示によって、皆武器はホームにおいてきた。

ちなみに、ホームは【ウィザル・ファミリア】の団員が快く留守番を名乗り出てくれた。
パディさんの料理はそれほどのものらしい。

閑話休題

「だよね。 なら式。ちょっと外を見てきてくれ。 君の魔法なら、武器がなくても大丈夫だろ?」

「了解!」

「それに、ここでガネーシャに恩を売っておきたいしね」

「バルドル様、エイモンドは?」

「まぁ、多分外に出てるだろうけど、あれでもLv4だ。大丈夫だろう。 それじゃ、式。頼んだよ。 緊急を要するなら、戦車(チャリオット)を使っても構わない」

「っ! 任せてください!」

俺は席を立つと、すぐに会場から飛び出す。
階段となっている場所をかけ降りれば、そこではギルドの職員達が慌ただしい様子で動き回っていた。

「ルナファさん!」

その中に知り合いの顔を見つけた俺は名前を読んで駆け寄った。
俺の声に気づいたのか、犬人(シアンスロープ)の女性、ルナファさんは最初、驚くような声をあげた。

「し、式君!? いや、ちょうど良かった! 頼みがあるの!」

慌てながらも、俺へと事情を説明するルナファさん。
彼女の話によると、どうやら捕らえていたモンスターが九匹、脱走したという話だった。
このままでは、一般人に被害が出てしまうという。

「モンスターは、東のメインストリートの方でいいんですね?」

「ええ。 頼まれてくれる?」

「もちろん。 そのために来たんですからね!」

それでは!と言って、俺は闘技場を後にする。
武器はホームだ。だが、聞いた話だと脱走しているのはシルバーバックやトロール、
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