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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
怪物祭 1
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「おう。 それじゃ、バルドル様。俺も寝ますんで」

「分かった。 おやすみ〜」

俺は自室に戻ると早速寝ようとベッドに倒れこむように寝そべった。
ここで一つ、俺の頭にはある心配事が浮かんでいた。

主人公がいたということは、原作がスタートしているはずだ。
五年前の、しかも前世で大まかにしか内容を知らなかった物語であるが、明日の祭りで、なにかが起きるとは考えておいた方がいいだろう。

「……くそ、こんなことなら、もっとちゃんと読んどくんだったぜ……」

だが、そんなことを今さら嘆いても仕方のないことだ。
うちはそれなりに上位派閥としての力があるため、争い事においてはそれほど心配はない。まぁ、スウィードは新人だから仕方ないとは思うが。

それでも一応、気を付けておいた方がいいかもしれない。

「……ま、明日になればなんとかなるか」


ーーーーーーーーーー



「うおー! 今年も賑わってるっすねー!」

「す、すごいです!」

「二人とも、あんまりはしゃいで迷子にならないでよ」

先頭を歩くアルドアさんとスウィードがメインストリートに出ている屋台をいったり来たりして走り回っていると、リリアさんがその様子に呆れながらも注意した。
スウィードは分かる。アルドアさん、あんたもう二七でしょうに

【バルドル・ファミリア】一同、十名が東のメインストリートを練り歩く中、その中の一人、団長のハーチェスさんは先程受け取った日程とプログラムの書かれたチラシを見ながら何やら考え事。

祭りは都市の外からも一般客が集まってくるため、大変混雑する。
効率よくこの祭りを楽しむためのプランでも考えているのだろう。

「うひょ〜! スウィード、見るっすよ! このクレープ、めっちゃうまそうっす!」

「お、おいしそうです!」

アルドアさんとスウィードがとある屋台の前で足を止める。
クレープを売っている店のようで、店のおっちゃんは元気よく、らっしゃい!と声を張り上げた。

「パディ! 俺っち、これが食べたいっす!」

「お、俺もです!」

パディさんはチラリとハーチェスさんを見る。
頷いたところを見るに、許可は出たようで、パディさんは微笑ましいものを見る目で二人にクレープを買ってやった。
スウィードとアルドアさんが兄弟に見えたのは俺だけじゃないはずだ。

「あ、パディ。私のもお願い」

「畏まりました」

リリアさんが思い付いたように言うと、パディさんは追加で一つ買ってきた。
クレープを受け取ったリリアさんは、破顔させながら一口食べると、次にはハーチェスさんの口元にクレープを持っていった。

「ハーチェス様、あーん」

「リ、リリ
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