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異世界系暗殺者
寺坂の時間(2016/03/30 一部修正)
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ける触手生物で。もしプールが高速修復されなかったら、クラスの大半が数少ない楽しみを奪った犯人を血眼になって探してただろうし」


俺はそう告げると、拘束していた寺坂を解放した。そして、寺坂は寺坂で舌打ちをしたかと思えば、吉田と村松を引き連れてプールから姿を消した。

それから間もなくして、グループ内で揉め事があったのか、村松が木に背を預ける形で座り込んでいるの見かけたり、教室内で騒ぎが起こった。

教室に着いた俺が目にしたのは、破壊された木製のバイクっぽいのと、有希子の近くに落ちていた殺虫剤のスプレー缶。そして、その教室内を未だ舞っているスプレー缶の中身と思しき薬剤だった。


「触んじゃねーよ、怪物。気持ち悪――」


殺センセーと口論している寺s――ゴリラに俺はイッキに近付き、頭を鷲掴みにした。


「おい、ゴリラ。てめぇ、有希子の近くで一体何の薬剤をぶち撒けた?」
「い、イッキ君!?止めなさい!!」


今の俺は堀部の触手を見た時の殺センセー並にキレているだろう。自分でも殺気立っていることが分かる。そして、その殺気に当てられゴリラの顔が青褪めている。

俺がキレていることを察した殺センセー先生が、触手を駆使して俺をゴリラから離そうとするが、俺は掴んだゴリラを離さない。


「何とか言えよ、クソゴリラ。簡単な質問だろうが。てめぇのブチ撒けた薬剤は何だ?」
「………」
「ゴリラには人間様の言語が難しいか?あ゛ぁ゛?」
「………イッキの奴、マジでキレてやがる」
「イッキ君!いい加減にしなさい」


殺気立っている俺から距離を取るクラスメイトと、俺と寺坂の遣り取りを必死に仲裁しようとする殺センセー。ってか、俺に絡みつく触手がウゼェ。

何も言わない寺坂と身体に絡む触手にうんざりした俺は、鷲掴みにしていた寺坂の頭を離してから、再度口を開いた。


「人間様の言語を理解しないクソゴリラに言っても意味が無いと思うけど、取り敢えず言っておく。てめぇの散布した薬剤のせいで有希子に何かしらの害があったら、てめぇのその体に道を刻み込んだ上で轢き潰す。そのことを肝に銘じておけ」


俺はゴリラにそう告げると換気をする為、教室の全ての窓を開けると、今の俺が居ても教室の空気が悪くなると判断し、教室から姿を消した。

そしてこの日1日、E組の雰囲気はギスギスしたものとなってしまった。



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