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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
吊り橋効果?
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も、分かるもんじゃないだろ。ってか、よく信じられたな、そんなのを」
「それしか答えがなかったから、それを信じるしかない」

はっきりと真正面から断言されて、一輝はお手上げのポーズをとる。もうどうしようもないという判断だろうか?

「さて、それじゃあ答え合わせと行くか?」
「うん・・・一輝は、自分の感情って断言できるものがない・・・だよね?」
「九割がた正解。正確には、三つだけそう断言できるものがある」

人間に存在する、数多くの感情。もはや数えることもできないほどに存在するそれの中の、たったの三つ。一輝が『自分の感情だ』と断言できるものは、たったのそれだけなのだ。
そして、興奮するという感情はその三つには含まれない。

「さて、どこで気付いたんだ?」
「まずは、さっきの反応。まず状況が理解できなくて最初の沈黙。私の声で状況を理解する作業に一瞬、最後が余る」

勿論、それだけなら何かほかの理由の可能性もある。だがしかし。ウィラは「あと・・・」と続ける。

「さっき呼び止めたとき、一輝そこから一切慌ててなかった。本当に、普段通り」
「それで、最後の一瞬で俺が何を考えてたのかが分かったんだな」
「うん。最後の一瞬は、どう反応するのが正しいのかを考えてた。・・・違う?」
「そういうこった」

そんな無茶苦茶としか思えないような回答。しかし、それはどうしようもなく真実だ。

「・・・ここまで知った以上、ちゃんと全部話した方がいいか?」
「お願い。ヤシロのあの言い方からしても、全部知った方がいい気がする」
「・・・?まあ、いいか」

何のことなのか分からないが、それでも一輝は気にせずに話をする。この疑問という感情ですら、彼は自分のものだと断言できないのだから。

「とはいえ、さすがに風呂場で長時間こんな話をするのもあれだからざっくり話すぞ」
「それは大丈夫。さすがに全部話してもらえるほど単純だとも思ってない」
「ありがと」

前置きを受け入れられて、今度こそ一輝は話を始める。

「まあ前提条件として、俺の一族・・・『鬼道』って一族は、世界においてとある役目を担ってるんだよ」
「とある役目?」
「本気でしっかり説明しようと思うと四、五時間かかるからそれは省略させてくれ」
「・・・・・・うん」

さすがのウィラにもそこまでの根気はなかったようだ。

「まあなんにしても、世界においてとある役目を担ってて、そんな世界からの過保護を受け取って、ギフトや霊格を人間の身で手に入れて、そして神霊なんていうものを、ちゃんと信仰からとはいえ両立はできない、百パーセント生まれついての人間であり百パーセント生まれついての神霊であるなんていう矛盾した存在を得て。それで何の犠牲もなく済むと思うか?」
「・・・そ
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