生命を消す者
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いう報告まで入っておる」
「危険な思想を持っておるな」
「我々評議院は新しくなった!!何が新しいのか、国民に示さねばならん!!」
一人の議員が机を叩くと、評議院議長、グラン・ドマが立ち上がる。
「失われた信頼を取り戻すために、問題のあるギルドは厳しく取り締まるのじゃ。
妖精の尻尾に次はない!次はギルドを解散させる!!」
その言葉を聞いて、評議院たちは盛大な拍手をする。
「ラハールとドランバルトを呼べ!!全ては、魔法界の聖なる秩序のために!!」
「「「「「「「「聖なる秩序のために!!」」」」」」」」
その会議を、部屋の外で盗み聞きしていた男がいる。
「はっ!やっぱり・・・こいつらは甘ぇなぁ。だからダメなんだよ」
男は評議院の服を着ていない。つまり、侵入者である。
その男が部屋の前に立っていると、二人の男がこちらに歩いてくる。
「あれが、ラハールとドランバルト・・・ね」
男はその場から距離を取り、二人にバレないように隠れながら様子を伺う。
「どっちかが、ギルドに潜入するんだろうなぁ。はっ!おもしろいじゃナァイ!!精々内輪揉めでもしてろ。その間に・・・俺はあいつから魔法を手に入れる」
男はそういって、評議院をあとにし、己の所属しているギルド・・・悪魔の心臓へと帰っていった。
とある森にて・・・
満月の夜、森で寝そべっていた男は、近くの小川で喉の渇きを潤していた。
「!」
「グルルルル」
その男は、いつのまにか周りを狼の大群に囲まれていた。
「僕に近づいてはいけない」
男は、少しずつ距離を詰めてくる狼たちにそう言う。狼たちは、そんなことなどお構いなしに近づいてくる。
「よすんだ・・・僕は君たちの敵じゃない」
男は手を前に出して、狼たちを説得する。だが、狼たちは、一斉に男に飛びかかり・・・
ドサッドサッドサッ
地面へと倒れ込んだ。
「ダメなんだ・・・僕に近づいては・・・ごめんね」
男は死んでしまった狼たちに謝罪する。
「僕は誰の命も奪いたくないのに・・・世界が僕を拒んでいるんだ」
男の周りでは、木々が枯れ、鳥たちが力をなくして落ちてきた。
「ナツ・・・早く合いたいよ・・・」
男は寂しそうに、そう呟いた。
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