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鋏と花
鋏と花 第二話 ファンクラブ
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した。ズバッと。江戸時代の武士の刀でもここまで切れ味はよくないぞ。
 本当に男が嫌いらしく、本人はこちらを一度も見ようとしない。なんとなく耳が赤いような気もするが、話すのが初めてだから緊張しているのだろう。
「噂を聞いたってことは会長のことも知ってるんでしょ、なおさら会わせられないわn―」
 シラウメが言いかけたその時、部屋の奥から、ダンッという打撃音が鳴った。それを聞き、俺もシラウメも驚いて肩を竦ませる。
「シラウメさん?通してあげて?」
 部屋から聞こえてきたのは、いつも聞きなれた、というか聞き飽きた声だった。やはり嫌な予感というものはよく当たるようだ。
 渋々、というような態度でシラウメが部屋へ招き入れてくれる。言葉遣いには気をつけなさい、という念を押して。
 部屋内はかなり広く綺麗で、隅々にまで掃除の手が行き届いているようだ。何やら資料ファイルや本が詰め込まれた大きな本棚、なんに使うのか着ぐるみの頭、ほかにも電気ポットなど色々おいてある。
 間取り的にドアの向かいに机があり、先ほどの声の張本人はその机に座っているようだ。
「やあ、ようこそ、我が愛しの弟君?」
 自分と同じ色素の薄い茶色の髪。お淑やかそうにみえるたれ目。しかし何も見ていないような空虚のような目。
 まさに。
「やっぱり姉貴かよ…」
「やっぱりとはなんだい、やっぱりとは。血の繋がった姉弟だろう。ひどいな」
 まさに目の前にいるのは我が姉にして我が校の生徒会長、サクライ アキノだった。
 アキノはふっ、と不敵に笑い、じっとこちらを見つめる。
「さて、ハルトよ。私になんの用だい?まさか用もなしに来たわけじゃないだろう?…シラウメさんお茶入れてください」
「いやです。自分で淹れてくださいそれくらい」
 こいつほんとに会長なのか…?シラウメちゃんと従ってないぞ?
 渋々アキノは腰を上げ、自分でお茶を入れ始めた。結局自分で淹れるんかい。こぽこぽと湯呑にお茶をそそぐ音が広い部屋に響く。
「で、改めて聞くが用はなんだい?君がこのファンクラブに入りたいってわけじゃないんだろう?」
「あたりまえだ。…まぁ簡単に言うとここを潰しにきt−」

――バンッ

「ふっざけないで!!あんたは気に入らないかも知れないけどね、あたしたちは本気で活動してんのよ!あんたなんかの事情で勝手に潰されたくないわ!!」
「ああ?じゃあタチバナはこのファンクラブのこと知ってんのか?知らないだろ。無断で作られたんだから潰されても当然だろ。勝手に潰すなって言える立場なのかよお前らは?」
「た、確かにそう、だけど…」
「それにお前自己紹介で男が嫌いだっていってたのになんでファンクラブに入ってんだよ?」
「う…それは…あたしの勝手、でしょ…」
 シラウメの声は段々小さくなり、語尾
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