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リリなのinボクらの太陽サーガ
試練
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ていた世界の技術や文化を取り入れたモノが混じって……!」

「考察は遺跡を出てからにしろ、ユーノ。またトラップ地獄に巻き込まれたいのか?」

「……話を進めるよ? 私なりにこの古代語を翻訳すると……『いずれ訪れし探求者へ告げる。これは試練の門。先へ進むには、結晶と共に生きし者による協力の証を見せよ。さすれば試練に挑む資格を得られよう。されど証なき者には、永遠の制裁を下さん。証を示して封印を解き放てば、可能性の世界が再現されよう。何が試練なのか見極めるのもまた、与えられた試練である』……以上」

シャロンの解読を聞いて、私はおおよその推測は出来た。兄様も大体把握したようで、これから先に進むために行わなければならない事に対して、少し辟易した様子だった。

「解釈はもうおおよそわかってるだろうが、ここから先に進むにはアクーナの民の協力が必要不可欠だったようだ。しかし管理局はアクーナの民に協力を求めず、独自に探索を行った。それが結果的に自分達の首を絞めたってことか」

「永遠の制裁って、名前からしてすっごく物騒ですよね。もしかしてこの先には管理局が派遣してきた調査団の成れの果てがいたりする……わけないか」

「真偽はともあれ……最初の封印を解くには、まず私がここに手をかざせばいいみたい。……置くよ?」

こちらに確認してきたシャロンに、私達は無言で頷く。何が起こるのか不安は残るものの、シャロンが何の想定も無しに手を台座に置いた。直後、装置が鳴動し始め、チャキチャキと何かのシークエンスを開始した金属の動作音が聞こえ――――

ズシャッ!

台座からいくつもの針が飛び出し、咄嗟に離す間もなくシャロンの手を串刺しにした。

「あぁあああああッ!? 痛いッ! 痛いィッ!!!」

「シャロン! 大丈夫!?」

「痛ぃ……!! 手が……手が痛いよぉ……!!」

前もって覚悟していないのにこのような凄まじい激痛に急に襲われ、シャロンが泣きながら苦痛の声を上げる。針はすぐに引っ込んだため、彼女の手はすぐに解放されたものの、血の吹き出る穴がいくつも開けられたシャロンの手はあまりに凄惨で痛々しかった。

『シャロン! 今治すから!』

「ま、マキナぁ……!」

急いでマキナが聖王教会で覚えた治癒魔法、“癒しの光”をシャロンの手に発動させる。マキナの手から放射された青白い光がシャロンの手を包み込み、傷口を塞いでいく。しばらくして傷が完全に塞がると、シャロンは一息ついたマキナ抱き着き、突然襲われた痛みの恐怖に震えていた。
マキナが彼女をなだめる中、私達は何も知らずシャロンに出血を強いてしまった事実に対して申し訳ない気持ちを抱いた。一方、そんなえげつない仕掛けがされていた台座では、シャロンの手から流れた血が結晶や装置の中に染み
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