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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
ジャック
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喚せんと欲す。汝、これを受け入れるなら我が言霊に従い、ここに顕現せよ。」

一輝がこう檻の中に向けて唱える。そして、彼は一つの声を聞いた。肯定にも否定にもなっていない、ほんの小さな笑い声。
『ヤホホ』というそれを・・・一輝は、肯定と受け取り、伏せていた顔をあげ・・・笑顔で、楽しそうに唱える。

「トリック・オア・トリート!彼の道化師はこう唱え、その祭りの主役となる!」

それは、彼の真の姿を呼ぶものではない。殺人鬼のジャックではなく、道化師のジャックを呼ぶ物。

「南瓜頭の道化師は、誰よりも子供の笑顔を望んだ!子供たちの笑顔のため、子供たちの未来のため!君はただそれだけのために、ここに顕現せよ!」

ハロウィンの主役、ジャック・オー・ランタン。
アジ=ダカーハとの戦いの中一輝と契約をし、その檻の中に封印された彼が今、血なまぐさいことはなくただ子供たちの笑顔のために。

「さあ、皆を笑顔に!ジャック・オー・ランタン!」

最後まで笑顔で楽しそうに唱えた一輝の隣に、顕現した。
大きなカボチャの頭に、襤褸切れのマント。その全てが生前と同じ姿である彼。そんな姿を見て真っ先に反応したのは、当然ながらウィラであった。
彼女が最も長い時を共に過ごしてきた相手。死んだと思っていた彼と再会できて最もうれしいのは彼女だ。だからこそ、一輝の手で彼女の前に押し出されてきたジャックをみて当然ながら涙を流し、

「・・・久しぶり、ジャック」
「ええ。お久しぶりです、ウィラ。・・・すいませんでした、勝手なことをして」
「ううん、気にしなくていい。・・・ジャックは、蒼炎の旗印に・・・ッ」

そして、最後まで言い切ることもできず堪えられなくなり、彼に抱き付く。彼女は自らの年齢も気にせず、声をあげて泣き、ジャックにしがみついている。そんな二人の周りにいる者たちは皆それを見守り。

「・・・ま、こうなるならよかったかね」

一輝はただ一人、その輪から外れながらそう呟いた。



  ========



一輝がジャックを召喚してから少し経った後。
ウィラが泣き止んだために飛鳥や耀、黒ウサギに十六夜、そしてノーネームの子供たちなど。ジャックに会えたことを喜ぶ者たちに囲まれながらアーシャを乗せている。
そうして賑わっている中、真っ先にその輪を抜けた一輝はそのまま一人、本館の屋根に座ってそれを見ていたのだが・・・それは一人ではなくなった。

「あの・・・カズキ」
「ん?どうかしたのか、ウィラ」

散々泣いて、散々抱き付いて。自分の分はそれでいいと判断したのか。ウィラもその輪から抜けてきて、一輝の隣に座った。

「えっと・・・改めて、ありがとう」
「気にすんなって前にも言わなかったか?むしろ俺が勝手に殺したんだ
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