アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
閑話 咎を背負う者
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さま状況に対応していき、体勢を立て直すとすぐさま猛然と反撃に出た。
―――――だが、討伐隊と≪ラフィン・コフィン≫の間には決定的な差が存在していた。
それは、殺人に対する忌避感の有無であった。狂騒状態の≪ラフィン・コフィン≫のメンバーはHPが削れようとも降参することなく討伐隊を殺しにかかってくる。
そして、現在の討伐隊はとどめをさせずにいるため、徐々に防戦一方となっていた。
◆
「ぎゃははっははははぁぁぁ、死ねぇっ、死ねぇぇぇぇぇぇっ!!!!?」
「sだffっふぃえあおえだ@おrgdふぁうおd!!!」
「下品な言葉、だね・・・。それに、もうなに言ってるか、わからないよ!!」
殺しにかかってくる≪ラフィン・コフィン≫メンバー二人を相手にルナは持ち前の見切りを生かして、その攻撃を避けていく。しかし、その表情は優れず焦燥感にかられている。周りを見渡すと、HPゲージが赤くなった≪ラフィン・コフィン≫のメンバーが、そんなことは気にせず狂乱と討伐隊を殺しにかかっていたり、それを迎え撃つ討伐隊だが殺すことをためらい攻撃できずに防戦一方な姿が見えた。
無理もない、とその姿を見たルナは思う。このデスゲームはゲームのアバターのHPが全損すると現実の自分も死ぬ、ということになっている。それを言い換えると、このゲームの中でプレイヤーを殺すことは、現実での殺人を犯したのと変わらない意味を持っている。殺人を快楽としている≪ラフィン・コフィン≫のように、精神のたがが外れた者ならいざ知らず、討伐隊に所属している真っ当な人間に人を殺せ、といってもすぐに実行できるものはいないだろう。
現にルナも目の前の二人を殺せずにいる。真っ当な精神を持つがゆえに。人を殺すことへの拒絶がゆえに。そのため、これからどうすればいいのかまったくといっていいほど思い浮かばないでいた。
そんな時、第六感というべき何かが警鐘を鳴らした。
「っ!?」
その第六感に従い即座にその場を退くと、その瞬間、今までルナがいた場所に一筋の剣閃が走りぬけた。ぎりぎりのところでそれを避けたルナは即座に体勢を立て直し、その方向を向くとそこには意外な人物が立っていた。
「・・・PoH!?」
「Wow、よく避けられたものだな、流水」
≪ラフィン・コフィン≫のリーダーの登場に驚くルナをよそに、PoHが登場したことにより、今までルナの相手をしていたメンバーの二人は他の討伐隊のプレイヤーへと標的を変えていた。だが、そんなことを気にしている余裕はルナにはなかった。
「ずいぶんと遅いご登場ね・・・。てっきり尻尾巻いて逃げたのかと思ったよ」
「なかなかinterestingなことを言ってくれるじゃねぇか。あの時は剣聖が邪魔でお前
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