第十二幕その四
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先生達はそっとお二人から離れて物陰から見守ることにしました、見れば女の子の方からでした。
男の子に言いました、かなり必死なお顔で。
その言葉を聞いてです、遂に。
男の子も頷きました、先生にはお二人の言葉は聞こえませんでした。ですがそれでも動物の皆が先生に言いました。
「うん、ちゃんとね」
「告白したよ」
「それでね」
「男の子も受けたよ」
「告白を受け入れたよ」
動物の皆にははっきりと聞こえたのです。
「それじゃあ」
「よし、じゃあね」
「これからは」
「お二人は恋人同士」
「幼馴染からそうなったね」
「よかったよ」
笑顔のまま言う先生でした、その先生にです。
皆がです、こう言うのでした。
「じゃあ後はね」
「先生の番だよ」
「今晩だよね」
「日笠さんと」
「うん、お食事に行くよ」
先生は皆に穏やかな笑顔で答えました。
「イタリア料理のレストランにね」
「じゃあね」
「頑張ってきてね」
「僕達は先にお家に帰るけれど」
「それでもね」
「しっかりしてね」
「しっかりって?」
そう言われてもでした、先生はです。
目を瞬かせてです、こう言うのでした。
「紳士としてあるまじき行いをするなってことかな」
「ああ、そうじゃないけれど」
「また違うんだけれど」
「ううん、先生にはね」
「あの子達以上にね」
「困ったことになってるね」
「どうしても」
皆は全く気付いていない先生にやれやれといったお顔です、本当に仕方ないなとなっています。いつものことでありますが。
「まあね」
「それでもね」
「紳士的でないといけないことはね」
「その通りだよ」
「しっかりとね」
「そのことは」
このことについてはこう言うのでした。
「紳士的にね」
「まあ先生は実際紳士だけれど」
「間違いはないけれど」
「そのことはね」
「ちゃんとね」
「無作法なことはしないよ」
絶対にというのです、先生もまた。
「神様に誓ってね」
「神様に誓うのはいいけれど」
「気付いて欲しいな」
「先生もね」
「本当にそろそろだから」
皆は自分達の願いも口にしました、ですがやっぱり先生は気付きません。それでテーマパークを出てそうしてです。
先生は日笠さんと待ち合わせをしているその場所に向かいました、ですがここでなのでした。
お静さんが来てです、こう言ってきました。今回も猫のお姿です。
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