第一話
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女の秘訣よ』
『その言葉、どこかの誰かさんに聞かせたいわ』
『あら、噂のナナセって子?』
『まぁね』
本当にあの性格は何とかならないのだろうか、あれで男女問わず人気があるのだから世の中分らない。何でも人気の一つに、『あの冷たい表情で罵られたい』などというのもあるらしい。
訳が分らない。
『それで、何の用?』
『さっきも言ったけど、1ヶ月ぶりにあなたの近況を確認したくて♪』
『はいはい、悪ふざけもその辺にしなさい』
悪ふざけじゃないのに〜、などブツブツ言っているが本当に用件がそれだけなら、
わざわざ対魔法探査用秘匿念話通信装置を使用したりしない。
しばらく、ブツブツ言っていた通信相手の女性は、
『仕事よ。詳細はこちらで迎えの車を出すからその中で』
念話越しでも分かる程冷たい声で告げ、一方的に通信を切った。
まったく、寛容になれと言ったのはそっちなのに仕事の事となると一方的なのだから性質が悪い。
「別に断ったりしないけど」
と、誰にも聞かれないように口の中で呟く。もっとも念話中にも外への意識は向けていたので自分以外には誰も入ってきていないのは確認済みなのだが。
念のためトイレ用擬音装置のスイッチを押しトイレの水を流してから個室を出て、手洗い場の鏡の前で無意識の内になってい“仕事用”の表情を“日常用”の表情に戻す。
仕事を断ったりはしない、しないが……
「アリサになんて言い訳しよう」
容易に想像できる額に青筋をたてたアリサの仁王立ちの姿に、軽く憂鬱になりながら教室へと戻った。
余談だが説教の途中で抜け出した事へのお咎めしっかり受けた。と後述しておく…………ハァ
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