第一話
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「あげないわよ」
「いらない」
「これが女の子のお弁当よ」
「唐突に自慢!?
っていうか女の子の弁当というよりは、ありきたりs……
痛たたたたッふぁなしなふぁいよおおぉぉ!!」
私が菜々星の弁当についてコメントしようとした瞬間、菜々星が問答無用で頬を引っ張ってきた。割と強い力で引っ張ってきたので思わず悲鳴をあげてしまう。
「余計な事を言うな」
「分かったからふぁなしなさい!」
「あらやだ、何だか楽しくなってきたわ」
「いいかげんにしろおおぉぉ!!」
「はいはい、菜々星もそこまでにしなさい。昼休み終わっちゃうわよ?」
「…そうね、名残惜しいけど、ここまでにしておくわ」
アリサに説得され、しぶしぶといった感じにっ手を放した菜々星は食事を再開したが、残りはそれほど多くなかったので、すぐに食べ終えて今は水筒に入っていたお茶を啜っている。
年寄りくさいと言いそうになったが、先ほどより酷い目に合いそうだったのでやめた。
っていうか何だ名残惜しいって!
このドS女ぁぁ、私をからかって楽しいか!
ああそうですよね、楽しいですよね、ちくしょおおおぉぉぉ!!
「どうしたのよ遥?そんな顔して」
「どうせつまらないことよ。大方、私にからかわれて悔しいとかでしょ、気にするだけ無駄よ」
「菜々星ちゃん、そんな事言っちゃだめだよ。遥ちゃんも、いつもの事なんだから気にしちゃだめだからね」
「…何気にすずかも酷いこと言ってるからね」
アリサの一言にすずかが慌てて謝ってきたが、事実は事実なので気にしてないと告げる。
あれ?昨日もこんなやり取りしたような……なんて事を考え、また落ち込みそうになった。
私って意外とネガティブなのかも。
「話は変わるけど、すずかも菜々星も確か今日予定空いてたわよね?」
「うん、今日は塾も習い事もないよ」
「私も今日はオフね」
「よし決まり!じゃあ今日の放課後、翠屋に寄りましょう!最近みんな色々予定があってご無沙汰だったじゃない。久しぶりに桃子さんのケーキ食べたいしね。当然、遥も来なさい」
「え、私の予定とかは「あっても来なさい!決定よ!」……ですよね〜」
「諦めて来なさい」
「アリサちゃん、言い出したら聞かないから」
既に退路はないらしい。
まぁ、確かに今日は特に予定も入っていないので断る理由もない。
私は諦めたように今日何度目か分らないため息をついた。
昼休みが終わった後の授業中。
先生の言葉を話半分に聞きながら、私は放課後の事について考えていた。
結局あの後、了承の返事をした私に満足そうに頷いたアリサが、放課後に皆で一緒に行くと告げ、昼休みの時間も残り少なかったので、そのまま皆で教室に戻ってきたのだが、正直私は気が進まなかった。
アリサは、友達なんだか
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