第一話
[2/6]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とはないわね」
「……………」
何だろう。この女は人の神経を逆なでするのが趣味なのだろうか。
「あんたいい加減に」
「何?授業中に居眠りしそうになった生徒を起こして何が悪いの?感謝されるのならいざ知らず、怒られる筋合いはないわね」
「……………」
……そろそろ堪忍袋の尾も限界に近い。
「それと一つ」
「まだ何かあん「倖月さん?」!?」
その一言で熱くなりすぎていた頭が急激に冷えていく。
ゆっくりと顔を前に戻すと、目の前で先生が笑みを浮かべていた。
最も目は一切笑っていない。
「……声が大きいわよ」
隣で、ぼそりと独り言のように菜々星がつぶやいた。
どうやら知らず知らずの内に声のボリュームが上がっていたらしい。
「廊下に立ってなさいとは言わないけど、授業が終わるまでその場に立ってなさい」
「……はい……」
その静かな迫力に反論する気も起きず、大人しく立ち上がる。
でも立ち上がった時に、『愚かね』と声には出さず視線で語たられたのを見て殺意が湧いたのは悪くないと思う。
「何やってんのよアンタ」
「私は悪くない」
「私のせいでもないわね」
「OK分かった。喧嘩売ってるのね、喧嘩売ってんのね!!」
「は、遥ちゃん、落ち着いて!」
昼休み。
呆れたように話しかけてきた金髪の少女、アリサ・バニングス。
あくまで私は関係ないと白を切る少女、深山菜々星。
思わず飛び掛かろうとした私、倖月遥。
そんな私を必死になだめる少女、月村すずか。
の4人は、屋上のベンチの一角でそんな賑やか?にお昼を取っていた
ちなみに事故防止のため多くの学校は屋上への立ち入りを禁止しているが、ここ聖祥大および付属校では立ち入り禁止どころか花壇やベンチなどが設けられ、生徒の憩いの場として解放されている。
「ほんと、菜々星も遥も毎度毎度よくやるわよね」
「まったく、付き合わされる私の身にもなってほしい」
「あんたは一度も被害をこうむったことないでしょうが!!」
「遥ちゃん、ほら、深呼吸深呼吸」
そう、腹立たしいことに何故か毎回注意されたり立たされたりするのは私だけで、この性悪女は一度としてそのような目にあったことがない。
「そこは上手くやっているから。優等生の私と不真面目な貴女との違いよ」
「まあ、確かにやり方は褒められたものじゃないけど、どちらが悪いかと聞かれれば授業をちゃんと聞いてない遥の方が悪いわね」
「……世の中ってホント不公平」
「あはは」
平然と菜々星が答え、アリサがそれに同意し、すずかは困ったように笑った。
私は半ばやけくその様に弁当のおかずを口に運ぶ。お、今日の生姜焼きは上手く味が染み込んでて美味しい。やっ
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ