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夢のような物語に全俺が泣いた
汚名返上の鉄拳制裁2
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ケイside

「魔神拳!」

ガァァァ!と地面を這う衝撃波が駄犬に向かって進んでいく。

「そんな攻撃が当たるかよ!」

駄犬は飛び上がり、魔神拳を回避した。
しかしそれは悪手だと、俺はニヤリと笑う。

「空中なら避けられないだろ!崘堵旋風(ろんどせんぷう)!」

駄犬に向かって飛び上がり、回転回し蹴り、後ろ回し蹴り、回転突きを順番に入れていき、最後に体を捻って踵落としを背中に叩き込んだ。
全てがヒットし、駄犬は地面へと叩きつけられる。

「ぐはぁっ!!?」

「っと…ふぅ、ふぅ……」

この戦闘の勝利条件はどちらかが倒れるまで。
このまま倒れていれば良いのだが…

「この糞雑魚がぁ!!」

「ですよねー」

勢いよく立ち上がり、両手に持っていたダガーを投げ捨てる。
おいおい、武器は冒険者の必需品じゃねえのかよ?捨てちゃっていいのか?

「もう容赦しねぇ…ぶち殺す!」

「返り討ちって知ってるか?」

段々この感覚にも慣れてきた。
最初は自分の体では無いように感じたが…今ではその違和感も消えている。

「うらあああ!!」

「なっ!かはっ!」

一瞬で俺の前まで距離を積めてきた駄犬はその勢いのまま俺の腹を殴り、吹き飛ばした。

「っ…ぐ(…速い!正に獣のそれだ……!これがこいつの本気ってやつなのか!」

「まだまだ終わってねぇぞゲロ野郎!」

再び視覚では追えないほどの早さを出して俺を殴りまくる駄犬。
蹴りや殴りのラッシュが的確に俺の至る場所を捉え、ダメージを蓄積させていく。

「ぐっ!がっ!?ごほっぉぇ…んのぉ!」

苦し紛れに拳を振るうが、簡単に避けられ、左頬に激痛が走った。
蹴り飛ばされたのか、俺はそのまま吹っ飛び壁に激突する。
瓦礫がまい、俺の上に欠片がのし掛かる。

「はっ…雑魚は所詮雑魚って事か。
まぁ楽しめはしたぜ?もうやめとけや」

「誰が…ぺっ。
流石に痛かったけど…それでも敗けは認められない!」

フラフラと這い上がり、瓦礫をどかす。
そして再び駄犬と視線を交差させる。

確かに他の冒険者を雑魚呼ばわりするくらいの実力はあるとは思う。
だがそれだからと言って呼んで良いことにはならない。
そんな慢心した態度を改めさせるのは必要だと確信している。
そして何より、俺自身が気に入らない。

「……やるか…あれ…」

前世の頃、テイルズのゲームをやる度に思っていたこと。
アニメや漫画で良くあることなのに出来なかった芸当…。

「なぁ、俺たちは冒険者で…戦い方も様々…そうだよな?」

「ああ?んなもん当たり前だろうが…頭でも沸いたのかよ?」

「この喧嘩にルールなんて
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