第四十一話
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「フリード、こっちに来なさい」
「きゅる、きゅるーる、きゅるる」
「え?どういう事?」
どういう事は俺達の台詞だ。
「えっと、キャロちゃんってフリードの言っている事分るの?」
「あ、はい。何となくですけど」
何となくでも分るのか。
「それで?なんて言っているの?どうにも離れてくれないんだけれど…」
「あ、えっと…」
言いよどむキャロ。
「竜の姿を見せて下さいって…自分で言っておいて何ですが…意味が分りません」
「竜?」
なのはが聞き返している。
「はい。多分…そう言っています。見せてくれるまでは絶対に離れないって…フリード、いいかげん戻ってきて!」
キャロは俺の肩につかまったフリードを爪先立ちで掴み、無理やりおろそうとするが…
「きゅるーーる」
つかまった足が服を突き破り食い込んでいて少し痛い。
テコでも動かないつもりのようだ。
「フリード、おーりーてっ!」
「きゅるーー」
そんなやり取りをしているとだんだん俺の服の耐久値が下がっていくのだけど…
すでに猫に爪を立てられてもここまでは行くまいというほどにほつれているが、これ以上は遠慮したい。
「キャロ、ストップ!これ以上は服がもたない」
「あ…その、ごめんなさい」
そう言ってキャロは一旦フリードから手を離して距離を取った。
それから俺はフリードに向き直る。
「フリード。一回だけだよ?一回だけ見せてあげるから」
「きゅる?」
「え?出来るんですか?っていうかアオさんって人間ですよね?」
失礼な。魔法生物になった記憶は無いよ?
フリードに肩から離れてもらうと、ぐっと四肢に力を込めた。
体の感覚が書き換わるこの感覚も久しぶりだ。
一瞬の後に俺は変身をとげ、全長8メートルほどの銀色のドラゴンにその姿を変えていた。
フリードは嬉しそうに俺の周りを旋回した後にソラの方へと飛んでいった。
「きゅるーる」
「私も?…仕方ないなぁ」
一瞬金色の光に包まれたかと思うとソラの姿も金色に輝くドラゴンへと変貌していた。
「綺麗…」
「本当…」
なのはとフェイトは感嘆の声を漏らす。
「あれ?割とリアクションが少ない」
「お兄ちゃんだもの、ドラゴンに変身するくらい有るかなって思って」
「うん。アオとソラだものね」
なのはとフェイトの反応はその程度。
しかし、さっきから一言もしゃべっていないキャロはと言うと、信じられないといった表情で此方を見ている。
「魔竜…アイオ…リア?」
今キャロは何て言った?
「キャロ!今何て言った!?」
「え?あっ…えと
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