九校戦編〈下〉
九校戦五日目(2)×雫の準備姿とほのかと織斑兄妹との思い出
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には行ってなくとも入学生服の代わりにスーツを着ていた。入学試験時に、深雪の魔法を最初に見た時はほのかは、実力が別次元であると証明されたかのような衝撃的圧倒された。その印象は入学してから四ヶ月、一向に薄れる事はなく、逆に強まっている。マイペースな雫でさえも、間近にいる深雪の存在感はいつも通り魔法は使えないだろうと、ほのかは思う。
深雪が新人戦ミラージ・バットの出場取り消しにされ、本戦の方に回ると聞いてから直接対戦するチャンスが無くなったのか、ほのか自身でさえ胸を撫で下ろしていたくらいだった。それと入学試験時に思い出した事で、連鎖的にほのかは一真を初めて見た時の事を思い出す。ほのかが一真を意識したきっかけは、入学して二日目で一真ら相手を校則違反である魔法攻撃を仕掛けた事で、捕まりかけた所を一真に救われたあの場面前に一度会っている。入学試験日に深雪の魔法を見た後に一真の魔法を見た。たまたまほのかと同じ試験グループだったからかもしれんが、兄妹の外見はそれ程似ていなくとも、全員の名前を記憶する程ほのかにも余裕がなかった。
一真に目を留めたのは、深雪の兄だからではない。実技試験の結果は、深雪よりも劣っていたがそれがわざとだったという事を知っているのは、現場にいた青い翼関連の者と第一高校入学試験にいた教師達。速度も威力も規模も、平均だったが一真の魔法はとても美しかったと言える。ほのかは一真のように、魔法式を解析出来る訳ではないが光波振動系統を得意とするほのかにとって、一般魔法師に比べて魔法行使の副作用で生じる光波ノイズに敏感であった。
美月のような想子や霊子に対する特別鋭敏な感覚を持ってる訳ではない。余分な干渉力、魔法式の無駄が空間を震わせ、光子がそれに反応して生じる光波ノイズ。そのノイズが、一真の魔法からは一切感じられなかったのだ。その意味は、一切無駄がない魔法式に魔法力を全て事象改変に使い切った、計算され尽くした精緻な魔法。
ほのかはそれを見て美しいと思い、深雪の圧倒的な魔法を見せられたとしても忘れられない程に残っていた。だからオリエンテーションの日に、一科生ではなく二科生である一真を見たほのかは裏切られ感があった。あの日にほのか達一科生が、食堂からの過剰な敵意を懐いてしまったきっかけである。
『何故貴方はそちら(二科生)側にいるのか!?』
『何故貴方はこちら(一科生)側にいないのか!?』
そういう理不尽な怒りにほのかは囚われた結果、風紀委員に捕まりそうになったからである。速度も威力も規模も一科生としても合格ラインには遠かったが、あれ程美しい魔法を編み上げる一真が補欠に甘んじているなど、許し難い背信に思えたが全てが勘違いだったために今の一真がいるからである。
「・・・・ほのか、どうした
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