暁 〜小説投稿サイト〜
バーチスティラントの魔導師達
能力主義
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『催眠の書』の写本を命じます。対象は全ページ。」
「はい。………明日までには。」
少年が期日を定めると、彼らの母親は階段で上に上がっていった。それを見届けると、すぐさま少女が少年に駆け寄る。
「どうして?アレンは悪くないのに。」
「これでいいの。『催眠の書』は内容も字の癖も覚えたから、催眠にかかることは無いだろうし。」
「そういうことじゃなくって……。」
「いいの!!」
どんっ、と本を書庫内の机に置くと少年はすぐに回れ右をして書庫から出ようとする。
「……ごめんなさい。私が、慣れないことをしたばかりに!!」
そう声をかけられ、少年は立ち止まる。そして笑顔で振り返ると、
「後で、またお菓子作ってあげるね」
と言い残して扉を閉めた。そして先程の母親の命令を守るために、自室へと走った。
ほんの僅かの悔しさとやるせなさに、蒼い瞳を潤ませて。

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