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夢のような物語に全俺が泣いた
汚名返上の鉄拳制裁
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……真っ赤なトマトみたいになっちまったんだよ!」

「うわぁ……」

「アイズ、あれ狙ったんだよな? そうだよな? 頼むからそうと言ってくれ……!」

「……そんなこと、ないです」

ヴァレンシュタインは否定する。
実際否定してくれてありがたいが、あの犬には怒気が高まる一方である。

「それにだぜ? そのトマト野郎、叫びながらどっか行っちまってっ……もう1人なんて仲間に助けてもらうみたいに逃げやかがってよ……ぶくくっ!
うちのお姫様、助けた相手に逃げられてやんのおっ!」

どっと笑いに包まれる店内。
その反対側にいる俺達は大きな壁に隔たれているような気がした。
まるでそこだけ違う世界のように…静かで、影が射すように。

しかしあの犬は忘れているのだろうか?
ソウヤさんの殺気を受けたことを。

「しかしまぁ久々にあんな情けねぇヤツラを目にしちまって、胸糞悪くなったな。
1人は泣くし、もう1人は実力も考えないで立ち向かおうとするし」

「……あらぁ〜」

「ほんとざまぁねぇよな。ったく、実力がわからないくせに立ち向かおうとするわ、あげくのはてに泣きわめくわ。そんなことするんじゃ最初から冒険者になんかなるんじゃねぇっての。ドン引きだぜ、なぁアイズ?」

もういい限界だ。
今すぐアイツの口を塞いで地面にめり込ませよう。
そう思い立ち上がろうとすると、方を捕まれて椅子に戻される。
振り向けばユウジさんが首を降って「まだ待て」と言っていた。

「ああいうヤツラがいるから俺達の品位が下がるっていうかよ、勘弁して欲しいぜ」

だんだんと周囲の音が消えていく中、
あの狼人ウェアウルフの声だけが不思議と耳の中に入ってくる。
怒り浸透…もはやアイツのみの言葉しか俺の耳が受け付けないようだ。

「おーおー、流石エルフ様、誇り高いこって。でもよ、そんな救えねぇヤツラを擁護して何になるってんだ?」

「それはてめえの失敗をてめえで誤魔化すための、ただの自己満足だろ? ゴミをゴミって言って何が悪い」

「アイズはどう思うよ? 自分の目の前で震え上がるだけの情けねぇ野郎どもを。あれが俺達と同じ冒険者を名乗ってるんだぜ?」

「何だよ、いい子ちゃんぶっちまって。……じゃあ、質問を変えるぜ? あのガキどもと俺、ツガイにするなら誰がいい?」

「うるせぇ。ほら、アイズ、選べよ。雌のお前はどのの雄に尻尾振って、どの雄に滅茶苦茶にされてえんだ?」

「黙れババアッ。……じゃあ何か、お前はあのガキどもに好きだの愛してるだの目の前で抜かされたら、受け入れるってのか?」

「はっ、そんな筈ねえよなぁ。自分より弱くて、軟弱で、救えない、気持ちだけが空回りしてる雑魚野郎に、第一級冒険者のお前の隣に立つ資格な
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