暁 〜小説投稿サイト〜
異世界系暗殺者
球技大会の時間・2時間目(2016/03/28 タイトル変更&一部加筆修正)
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
法・破竹による融合打法からすれば大した球でも無く、難なく打つことができた。

ヒットした球は一塁前方にいる野球部員の顔を紙一重で通り抜け、ファウルボールとなった。念の為言っておくが、態とファウルボールを狙ってみた。

そして、当然のことながら投手の球速を超える返球に反応できなかった部員は、顔の横を通り抜けたものが何か理解した瞬間、青ざめていた。


「ファ、ファール!」
「悪い悪い。俺、打った時のコントロールが悪くってさ。こんな前進守備されてたら、運が悪いと返球がお前らの誰かの顔面に当たるかもしれねぇんだ。あっ、顔面じゃなくて肩とかに当たることもあるかも。
ちなみに俺の返球速度は200km超えてるって、うちの担任に言われたことあるから、直撃したら再起不能の病院送りに成るかもな。野球選手って、肩を痛めたら選手生命絶たれるんだろ?」


俺がそう言うと、野球部全員が顔面蒼白となり、最初にいた前進守備の位置から後ずさり始める。まぁ、中学生とはいえ好きでやっていることをやれなくなるとか言われたら、誰だってビビるわな。


「そら!次の球投げて来いよ、三下投手。俺が格の違いって奴を教えてやる」


自分達が威圧する側だと思ってた奴らが、逆に威圧される側に回れば、一気に立場が逆転する。野球部主将から投げられた二球目は、今まで見た球の中で最も遅く秘打法を使うまでも無いものだった。

が、俺は理事長の教育理念に沿う行動を取ることにし、今度はリズム打法と抜刀術の様な構えから静の秘打法・空蝉の融合打法を使い、金網へと球をめり込ませた。当然のことながらこれはホームラン扱いとなり、E組は1回表で5点先制することとなった。

その後も投手である野球部主将は、俺達に5点も先制されて調子を崩してしまい、更に急速が遅くなったことで、俺と友人以外でもヒッティングで打てる様になり、1回表でE組が10点取り、コールドゲームとなった。

途中、理事長がタイムを出し、野球部主将に何かしらの洗脳処置を行おうとしていたが、既に本能的に勝てないことを察してしまった者には、それも意味がなかった様だ。

っていうか、俺らが守備側になったとしてもホームランを打たれない限り、俺が縮地を使えば殺センセー程ではないにせよ、鉄壁の守備になるから、結果的には5‐0で俺達の勝利だった訳なんだが……

それにしても、この野球部メンタル弱過ぎだろ。いや、俺が脅し交じりなこと言ってたせいもあるけど、挫折とかしたことないのか、って本当に思った。

色んな意味で強い奴ってのは大なり小なり挫折ってのを経験してる奴だと思うんだけどな。ちなみに俺は人間関係っていうもので挫折を経験したことがあったりする。

取り敢えず、こんな感じで球技大会は終了した。



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ