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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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を潜めた口調で紡がれた話は、到底受け入れがたものだった。
今いる選手控室にエレベータから降りた時、はっきりと敵意が分かるほどの視線を感じたらしいのだ。ここで最重要なのは、その視線が複数だったということだ。
菊岡との話し合いで、当然ながら俺達は死銃が"単独犯"という前提で話を進めていた。
だが、逆にその根拠は何だ?
今のところ、殺されたことが確認されているのは二人。前バレット・オブ・バレッツ優勝者と、大規模スコードロンの長だ。だが、それは裏を返せばたった二件しか実例がないということだ。それだけであらゆる可能性を絞り込んでいくのは早計すぎるというものだ。
新たに出た、まったく考えられなかった可能性に背もたれに体重を預けながら頭を巡らせる。と、そこで妙に静かになっている少年が気にかかった。
「レンはどうなんだ?死銃……というか、その視線についてどう思う?」
肩まであるセミロングの艶やかな黒髪を深く目元に垂らす少女のような少年は、しばらくの間置き去られた人形のように沈黙を貫いていたが、ふっと息を吹き返すように言葉を紡ぎだした。
「……今のところ、二つの可能性がある」
静かな口調とともに、突き出された手は指が二つ立っていた。
「一つ目は、あの視線が死銃のものということ。その場合、死銃は複数いるということになって、さらに僕達はもうロックオンされている」
つまり、今この瞬間も命を狙われているということか。仮にその死銃
達
(
・
)
全員に仮想空間で他者を銃撃しただけで殺害するほどの心意の心得があるとしたら、事態は限りなく絶望的なことになるまいか。
二つ目、と少年が続ける。
「死銃とは全く関係のない人達。……つまり――――」
第三勢力の――――勃発。
放たれたその言葉はどこか空虚で、俺の背中を震わせるには充分な重みを伴っていた。ユウキも同じような感想を抱いたのか、テーブルの下で二の腕をかき抱く。
なぜなら、レン達の言葉が真実ならば、その視線の持ち主は二人や三人では収まらない。少なくとも今この場にいる者達よりも多い、ただでさえ警戒すべき
死銃
(
ターゲット
)
とはまったく別の未知なる勢力が存在しているのだ。どう控えめに見積もっても不気味さは否めない。
「べつに悲観視するつもりはないけど、やっぱりこの二通りの可能性は頭に置いておいたほうがいいと思う。何も予想してないうちに襲われるよりは、多少考えてから戦うほうがよっぽど気が楽でしょ」
確かにそれはそうだ。
沈黙が訪れるボックス席に、ガンガンと粗雑なノックの音が響き渡った。
「ちょろっとー、いつまでムズカしい話してんのよ。もー十分前よ」
胡乱な目線で入口のところにもたれかかっているのは、レンとユウキと一緒にいた二人の女
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