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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十九話
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オオオオオオオオオオオオオオオオオオ】!!!」

 爆炎。キラーアントの海がさながら油のように燃え上がる。爆炎が爆炎を生む轟音。突如として始まった後方からの攻撃に、キラーアントたちは慌てふためいて方向転換しようとするが、お互いの体が犇めき合ってろくな身動きを取れない。
 立て続けに炸裂する火炎は穿孔機のように蟻の大群を抉り去り、雷と化して貫く。その炎の揺らめきから、白髪の少年が飛び込んできた。

「なんで……なんで……」

 うわ言のようにリリの口から零れる。どうして自分を殺そうとした相手を追いかけてくるのか。どうしてその顔は怒りじゃなくて、心配で満ちているのか。
 脳内で呈された疑問に、ベルが読み取ったかのように答えた。

「何でもこうしても、リリを助けに来たからに決まってるでしょうがあああああ!!!!」

 思いの丈を込めた絶叫に、リリは呆然とした顔をしながらも、その頬に一筋の涙を伝わせた。
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