暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico24彼の居ない時間の中で・・・〜Sad days〜
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ヴァンティン”を振るい、シュヴァリエルの両目へ向けて魔力刃を放つ。直撃はしたが、「効かねぇよ、この程度の神秘じゃな!」全くダメージを与えることが出来なかった。そして改めて握られた大剣が振るわれる。振り下ろされる大剣を横っ跳びで回避し、「カートリッジロード・・・!」具現した鞘へと“レヴァンティン”を納め、全カートリッジをロード。

≪Schlange form≫

「飛竜・・・一閃!」

“レヴァンティン”をシュランゲフォルムへと変えた状態で鞘から抜き放ち、至近距離での砲撃級斬撃を繰り出す。シュヴァリエルは斬り返した大剣を盾にし・・・着弾。剣身に付加されていた魔力が爆発を起こす。

「神器王ですら俺には勝てなかった。それがすべてだ」

魔力爆発の際に発生した煙よりシュヴァリエルが飛び出して来た。やはり無傷。しかも「なに・・・!?」ルシリオンの砲撃によって失われていたはずの左前腕が再生していた。

――十裂刃風――

「しまっ・・・!」

奴の左右に発生した風の渦が刃となって私に放たれ、成す術なく“レヴァンティン”の剣身が粉砕された。

「寝てろ」

「ぐふっ・・・!」

大剣の柄頭が私の鳩尾に打ち込まれ「げほっ、ぐふっ、ごほっ・・・!」激しく咽る。さらにガシッと顔面を鷲掴みにされ、「っが・・・!」後頭部から地面へと打ちつけられてしまった。後頭部への衝撃が強く、視界が歪む。脳震盪を起こしているようだ。体が動かない。

「アイリ! 戻って来い! 出ないとコイツを殺す!」

「「「シグナム!」」」

私の胸元に硬い感触が当たる。歪む視界の中で見えるのは、シュヴァリエルの持つ大剣の剣先が突き付けられている状態だというもの。アイリがシュヴァリエルに従わなければ、奴はその大剣を無情に落とし、私を貫くだろうな。

(くっ。なんて様だ。アイリを助けるどころか首を絞めているではないか・・・!)

あまりの悔しさに涙が出そうだ。そんな私の耳に、「判った。だからシグナムには何もしないでよね」と、シュヴァリエルに従う意思を見せたアイリの声が届いた。

「そう、それでいい。こっちへ来い」

「「アイリ!」」

『アイリちゃん!』

「行くな・・・アイリ・・・!」

私の頭上を飛んでシュヴァリエルの側へと寄り添ったアイリ。アイリは涙を流しながらも「そんな悲しい顔しないで」微笑んだ。

「何百年・・・、何百年と待ってた・・・。シグナムとヴィータとシャマルとザフィーラ、それと・・・シュリエルとアギトは居ないんだね」

アイリの微笑みが陰る。

「でもまた逢えるよね、今みたく・・・。だから待ってる。アイリを迎えに来てくれるのを。何百年と待ったんだもん。あと数年・十数年くらい、待っていられるもん」

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