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ソードアート・オンライン 瑠璃色を持つ者たち
第五話 第一層フロアボス攻略戦
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押し付け合いになっていた。

「おーい、俺もちょっと発言いいか?」

そんな中、特に大きな声でもないのにその場の全員を振り向かせたのはリュウヤだ。

昨日の前科があるため何を言いだすか分からないといった風に身構えるプレイヤーたちに苦笑しながら言った。

「能無しどもがまともに使えない言葉使って会議の真似事とか、滑稽だな」

ピシッ、空気が裂けた。
リュウヤに言わせれば「会議の真似事」をしていたプレイヤーたちは、一斉に不満を彼に向けた。

「そうそう、そうやって人に感情ぶつけて自分は何も悪くないとか考えてんだろ?お前ら。それが滑稽だっつってんだって」

やれやれと言わんばかりに首を振る。
それに対して一人のプレイヤーが反論する。

「俺たちの何が悪いって言うんだ!言ってみろよ!」

「え?言っちゃっていいの?泣いても知らないよ?」

相手の反応に挑発すると、彼らはふざけんな、調子こいてんじゃねえよ、などと暴言を吐きまくったが、リュウヤはそれらを一切無視し、しょうがないと言った風に口を開いた。

「第一に、お前らのディアベルへの依存が度を超えていたこと。誰だよ『ディアベルさんの指揮力は最高だ』っつったの。誰でもミスはある。それはディアベルも例外じゃないってこと忘れてたのはお前らだろ」

暴言を吐く者が減っていく。

「それに発展して第二。依存しすぎたせいで、あの“バカ”の無謀極まりない指令に誰も反論しなかった」

部屋から一人の声しか聞こえなくなる。

「ほら、これでお分かりか?ディアベルを殺したのはあの《ビーター》でもボスでもない。お前らだってのが」

暴言を吐いていたプレイヤー全員がぐっと息を詰まらせリュウヤを睨む。

「ほらほら怒んないの、ガキじゃあるまいし。なんならあの《ビーター》の方が大人だね」

全員が頭にハテナを浮かべているとリュウヤは挑発するように笑みを浮かべる。

「指揮官が死んでも撤退しないで最後までボスと渡り合った。それに対してどうだ、お前らは。ディアベルに依存しすぎたせいで腰抜かしてもはやお荷物でしかないクズに成り下がってたてめえらに、あの《ビーター》を責める権利があるとでも思ってんのか?」

大方筋は通っている、とアスナは思った。
もしキリトがいなければ、ボスにトドメをさせる者はおらず、いたずらに死者を増やすだけだった。
あの体たらくではそう思わざるを得ない。

しかし、それはキリトが《ビーター》というヒール役を演じていた、と分かっているもののみがたどり着ける真実である。

「そ、そんなこと言って、本当はお前もビーターなんだろっ!」

「そうだそうだ!罪を軽くしたいだけじゃないのか!」

だから当然、こういう反論が出てくる。
しかし
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