第五話 第一層フロアボス攻略戦
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ろじゃ間に合わん……!)
せめて横へと跳ぼうとした瞬間、タルワールーーーいや野太刀がリュウヤとディアベルを襲う。
軌道は水平ーーーギリギリのところで被弾を回避。
次の攻撃が来る前に逃げなければーーー動かない。
しまった、と思った時にはもう遅かった。リュウヤの足払いのせいで《転倒状態》になったディアベルに、それにつられて同じく《転倒状態》に陥ったリュウヤ。
死を覚悟する場面で、ディアベルが動いた。
「助かった。ここからはオレがやる!」
「バカ野郎!今立つんじゃーーー!」
本格的な《転倒状態》に陥ってしまっているリュウヤより、軽い症状で済んだディアベルはすぐに立ち上がりボスの次なるソードスキルを相殺しようと彼もまたソードスキルを起ちあげる。
「やめろディアベル!モーションを起こすなっ!!」
「チーーーックショウがっ!!」
吠える二人の声は騎士と王のソードスキルによって霞んでいく。
ディアベルの一撃は、確かに相殺とはいかなくとも軌道を変えられ、止めにはならなかった。しかし、王は間髪いれず最悪のソードスキルを起ちあげる。
スキル硬直により動けないディアベルに、容赦なく上下の斬撃、一泊溜めての突きを叩きこむ。
騎士の体を包む赤いエフェクトが消え去っていき、そしてついには彼の体を青いポリゴンへと変えて四散した。
ーーーボスを倒してくれ。
そう言葉を残して。
(ディアベルが……死んだ)
純然なる事実を叩きつけられる。
死んだ?
死んだ
何が?
人が
誰が?
騎士が
騎士?
レイドリーダーだ
レイドリーダー?
指揮官だ
指揮官?
青髪のプレイヤーだ
それって、誰?
ーーーディアベル。
最高の指揮官で、己を顧みず他者を案じた心やさしきレイドリーダー。
のちにトップギルドを作るであろう人材が、目の前で死んだ。
いや、ディアベルが死んだことが言いたいんじゃない。
“目の前”で、人が死んだ。
人が、死んだ。
ーーーはぁぁぁ………。
剣を取れ
恐怖を捨てろ
意思を持て
震えを抑えろ
覚悟を決めろ
こいつをーーー殺すために
「ああああああああああァァァァァ!!」
固まっていた全プレイヤーが、リュウヤの自身への叱咤の咆哮で我に帰った。
気づけば、叫んだ者はすでに単身でボスを相手に奮闘している。
たった一人でボスへ挑むのはほぼ自殺に等しい行為。パーティープレイの危険値など軽くしのぐリスキーな行動は、しかし彼の命を取るには至らなかった。
ボスの野太刀がリュウヤを襲う。鋭く早い刀の太刀筋はしかし、リュ
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