第五話 第一層フロアボス攻略戦
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のに対して、リュウヤは連撃重視だ。
ソードスキルは使わず、研ぎ澄まされた剣さばきでモンスターを圧倒。手数で敵を黙らせる。
ソードスキルを使うのは止めの一撃くらいだ。
加えて彼の回避能力もまた凄まじい。ほぼ紙一重で敵の攻撃を躱し続け、その間にも少量ながらダメージを与えている。
《圏内》で自分の剣技が全て躱されたのはこのせいか、とアスナは得心する。
「うぉっし、次行くぜ〜」
「もうちょい緊張感持てよ」
「うわひっでえな。これでも多少は緊張してるんだけど」
「うそつけ」
「いや、ほんと」
と軽口が飛ぶくらいに彼らは余裕そうだった。
自分は、そこまで強くない。
強くないし、強くない。
次元が違う。
けれどーーーいつかその境地へ。ボス戦でさえ余裕を持てる力をこの手に。
他でもない自分に誓い、アスナは叫ぶ。
「次、来るよ!」
《インファング》の三本目のゲージが削り切られる直前、リュウヤは離れた位置にいる二人の会話を耳にした。
戦闘中に加え今のリュウヤと彼らの距離では普通ならば聞こえない。しかしリュウヤはスキルの恩恵によって不可能を可能にしていた。
「ーーー汚い立ち回りでボスのLA取りまくっとった盾無しソードマンの話をなぁ!」
「な…………」
(LA……ロサンゼルスじゃねえよな、うん)
ゲーム世界のどこにロサンゼルスがあるんだ、というよりロサンゼルスを取るなんて言葉は戦争などでしか使われない。
ふざけた思考を切り捨て、真面目に思考の歯車を動かし始める。
(ボスのラストアタックボーナスか。まあ〜欲しいわな)
通常のモンスターから得られるLAとはわけが違う。この《ソードアート・オンライン》というゲームの中で、ただ一つしかないユニークアイテムだ。
となれば必然、レア度は高いわ性能も段違い。手に入れているかいないかで大きな差を広げてしまう。
(ベータ時代か……その時のキリトをあのベーター嫌いのキバオウが知るわけもねえから、誰かに聞いたんだよな)
そうなると、今度は「なら誰が」という疑問が浮かぶ。
その前に消化できるものもあるのを忘れてはいけない。
(確かキバオウはキリトのアニブレ買い取ろうとしてたよなぁ……。もし仮にLAを取らせないためと考えりゃ、アニブレにあの金額を提示する理由には納得がいく)
(だが、それをキバオウが考えて実行するか?…………いや、ないな。あいつはそこまで頭の回るようなやつじゃない)
事実、彼が頭の回転がいいのならば、会議の時ベーターを吊るし上げようとはしない。あれは誰にもメリットのないただの自己満足でしかない。
(とすっとブレーンがいるはずだ。キリトのベータ時代を知っていて、キリトにLA
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