暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜白の剣士〜
想いが形を成すまで・・・
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シノンは思った、自分には何があるのかと。

「『己を信じろ。その想いが形を成すまで・・・』」

「・・・?」

シュタイナーはそう言うと更に続けた。

「『綺麗に生きたいのならば汚れよ、何度も挫け、大いに足掻き、悩め。全力でいられた者こそが一番綺麗で格好が良いのだ。
今、己を変えたいと思っているのなら───
汚れろ、泥にまみれて。
突き通せ、己の思いを。
叫べ、声尽きるまで。
そして───

進め、思いが形を成すまで・・・』死んだ爺さんの言葉だ。人は皆汚れることを恐れる。汚れることは惨めなことだと思うんだろうね。でも、それじゃあつまらないと思うんだ。見た目が綺麗な人はただそれだけの事
、汚れているということはそれだけ戦ったということでもある。僕は見かけだけの綺麗な貴族よりも、汚れた鎧を纏った剣士でいたい」

その言葉にシノンの体は震えた。目の前の青年(シュタイナー)に対し、シオンと同じくらいの気迫を感じた。

「シノン、君は君の思いを貫け。それがいつか君にしかない唯一無二の一撃になる。それまで大いに悩むといい」

シュタイナーはそう言い残して、バイトの時間だと言ってログアウトしていった。
その場に残されたシノンは自分の弓を取り出し、じっと見つめていた。自分だけの武器、それが何なのか彼女にはそれが分かっていた。

「見つかりそうか?」

「見つかるもなにも、もう決めてる」

「そうか、なら・・・」

そう言いシオンは上空に数体のデコイを飛ばした。

「見せてみろ、お前の想いの形を!」

その言葉にシノンは不敵な笑みと共に答えた。

「上等ッ!!」

少女の矢は天を舞う。優しき青年の拳は地を砕く。
そして、白き青年の刃は不可能を切り裂く───

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

「彼もだいぶ強くなってきたね・・・」

そこは何もないただ無限の暗闇が広がる世界。
そこで一人立つ男はそう呟いた。
身に纏っている黒いジャケットは慣れたように着こなしている。

「これなら、もう任せても良いかもしれないな」

そう言い彼は静かに歩き出す。
暗闇の中でコツコツと靴音が異様に大きく鳴り響く。

Seven Star drive system START(セブンスタードライヴシステム起動).....
Start the system update(システムのアップデートを開始).....
Remaining until the update(更新まで残り).....99%.....

「さぁ、その手で、未来を変えて見せろ」

世界が再び動き出す───
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