目が覚めたらそこは…
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「ん……ここは…?」
目を覚ますと、そこは少し薄暗い洞窟の様な場所で、何故だろうか、不思議な感覚と緊張感に包まれていた。
「そうだ、特典は…」
大丈夫。確りと感じられる。
胸のなかに確かな暖かさを感じとり、俺はゆっくりと立ち上がる。
「さて…ここは何処だ?」
辺りを見回しても特にこれと言った物は見つからない。
取り合えず歩こう。そうしたところで―――
『あああいああああああ!!』
―――奥の方から悲鳴が聞こえてきた。
「っ!!何だ!?」
慌てて声がした方へ振り向く。
ドドド…と、次第に大きくなる音に警戒をし、ゴクリも唾を飲み込んだその時だった。
「助けてぇぇぇえ!」
『グルォォォォオ!』
「……えぇ…」
白い髪の少年と、その少年を追いかけている…見た感じミノタウロスが現れ、俺の横を通りすぎて行った
「――ら良かったのになぁ…」
昔からこうなのだ。
俺の真横で急停止して睨んでくるミノタウロス(仮)。
俺は昔から…ヘイトを稼ぐのが上手かった。
「俺、何かしたか?」
特に何をするでもなく、ただ立っているだけでこの様だ。
もはや呪いなのではないかと疑うほどにこの体質は俺を苦しめた。
「そこの人!逃げてください!」
先程の少年が俺に撤退を進言するが、そうは問屋がおろさない。
ミノタウロス(仮)は俺の顔を狙って拳を振り上げているのだから。
「そんなに大振りじゃあ…」
『グラゥッ!』
「当たらないぞ」
俺は降り下ろされた拳に添えるように手を置き、軌道を剃らす形で受け流した。
その勢いをそのままに、軸足に遊び足を交差させてミノタウロス(仮)の足を掻ける。
ミノタウロス(仮)は仰向けに転倒し、後頭部を地面にぶつけた。
「これでも何種類か武術を嗜んでるんだ。
そう簡単に攻撃を受けるわけには行かないな」
格好よく決めてみた。
だが相手は人外…果てはモンスターなのだ。
この程度の事でやられるほど弱くはないのが普通だろう。
そのでかい目玉に充血の模様を浮き立たせ、如何にもな怒りむき出しカムチャッカファイヤーなミノタウロス(仮)がうねりを挙げて立ち上がった。
「…さて、逃げるか」
俺は踵を返して走り出す。
調度先程の少年の横を通りすぎ、出口が分からないままに勘を頼りに加速する。
「ま、待ってくださいぃぃ!」
何故か少年まで付いてきているが…あの形相は怖いだろうな。
チラッと見れば憤怒の表情で走ってくるミノタウロス(仮)。
「い、行き止まり!?」
「おっと…」
何故か俺を追い越して先頭を走っていた少年。
行き着いた先の行き止まり地点に驚愕を示しながら焦りの表情を浮かべ
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