暁 〜小説投稿サイト〜
夢のような物語に全俺が泣いた
目が覚めたらそこは…
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びるわ…こちとら災難ばっかでどうしようもねぇんだよ」

一触即発。そんな空気が入り交じるなか、一人の声がその場を納める。

「悪いけど、その少年は僕の連れなんだ。
手を出さないで貰えるかな?」

爽やかに。そして響くような声。
そちらを向けば青い髪に長身の男性が立っていた。

「いつの間に…誰だテメェ」

「僕?僕はソウヤ・アオイ。
そこの少年を迎えに来た…”最強”の一騎士だよ」

ソウヤ・アオイ……聞こえを知れば日本人の様な名前だ。
もしかしなくても俺と同類の人物なのだろうか?

「最強だ?生憎だったな。
俺が最強と認めるのはここにいる【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインただ一人だ!」

「まぁ、試しても良いけど…僕も急を要してる。
その【剣姫】とやらが僕とやりたいのであれば…さっさと終わらせて上げるけど?」

瞬間、身体が重くなるような感覚に襲われた。

「っ!」「っっ!」「…!」

もしかしなくても…殺気だ…!
ここまでとてつもない殺気を出すなんて!

「この程度で動けなくなるなんて…まだまだ世界を知らないね?
まあいいや。えーっと…卯足 慧くんだね?僕と来て貰えるかい?」

「………嫌だと言ったら?」

「いやいや…別に君に危害を加えるためにここへ来たんじゃないから」

「………俺にメリットが無い」

「あるよ?現状の確認が出来るし、知りたいことにも答えられる。
君が望むなら修行とかスキルの練習にだって付き合える。どうかな?」

「……………分かった」

確かに現状確認はしたい。
何処に連れていくかは知らないが…何かあれば全力で抵抗してやる。

「じゃ、手を握って?」

そう言われて、俺は差し出された手を軽く握る。
そして次の瞬間――

「お、帰ったか。ご苦労だったなソウヤ」

目の前に金髪の長い髪をした男性が立っていた。

「只今戻りました、ゼウス様」

ソウヤ…さんがゼウスと呼んだ男性に会釈をして歩いて行く。
よく見れば俺が今いる場所も先程までの洞窟と全く違う。

「ホントにどうなってんだよ…」

俺は片手を額に持っていき、ため息を付く他無かった。

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