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101番目の舶ィ語
第ニ話。夜霞のロッソ・パルデモントゥム
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るよ!
今回も。
ん? 待てよ……奪う?

「おい、赤マント」

「サイキョーのロッソ・パルデモントゥムね!」

「そんなことはどうでもいい。
攫った一之江をどこにやった?」

「ふーんだ、あんたなんかに教えるわけないでしょ!」

「……そうかよ。『羅桜(ラオウ)』!」

出来るかどうかは五分五分だな。
頭の中でイメージしたのはかつて閻に放たれたノーモーションの打撃技、『羅刹』。
この技は特定の角度・範囲・威力で相手の心臓に非穿通性の衝撃を与えて______発生する振動により『心臓震盪』という致死的不整脈を意図的に起こし、急停止させる技だ。
さらに余剰のエネルギーで横隔膜震盪も起こし、呼吸も止める。
シンプルに言えば、『敵の心肺を止める技』だ。

そして……『桜花』。
それらを組み合わせて掌打を放つ。
ただし、相手の胸は避ける。
殺す前に聞きたい事があるからな。
ハーフロアとして覚醒したことにより、肉体の耐久性も上がっている俺は『桜花』気味にそれを超音速で放つ。
パアァァン。
ノーモーションからの超音速の打撃を赤マントに叩き込んだ。

「がっ??」

いきなり技を放ったからか、避ける事すら出来ずに吹き飛ぶ赤マント。
いつもの俺や通常のヒステリアモードの俺ならこんなことは出来なかったかもしれないが。
今の俺には、目の前の少女が男に見える。
だから、容赦せずに叩き潰せる。

「うえええええ〜ん?? 痛いよー!」

一之江が苦戦して最後は消されてしまった赤マントをワンパンで俺は沈めてしまった。

「もう一度聞く。一之江はどこにやった」

「ひぃっ、話すから、話すから……もう辞めてー!」

「どこだ」

「うえええええ〜ん?? 怖いよー??
助けてマスター!「さっさと話せ」ひぃっ!
メリーズドールならわたしのサイキョー抹殺空間!
そこに入ってるわ。入ったら二度と出られないっていういうのが、ユーカイってもんよ!」

「じゃあ、生きてるんだな?」

俺の問いかけにビクッとなりながらも強気な態度を崩さない赤マント。

「わたしが殺すまでは生きてるわねっ!」

「そうか……」

なら。
もう用はない。
殺せ……待てよ。
何を考えているんだ、俺は?
落ち着け……静まれ。
何とかベルセを制御して赤マントに問いかける。

「ところでロアの戦いには相性があるっていうのは知ってるか?」

「あ、うん。聞いたことあるわ。大変みたいよね?」

「ああ、お前のロアは相手を閉じ込めて殺す能力だよな」

「そうよ! 今まで色んなロアをポイポイ放り込んでおいたわ!」

「殺してないんだな?」

「後で纏めてやっちゃうのよ!」


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