第ニ話。夜霞のロッソ・パルデモントゥム
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認をするかのように俺を見る少女。
そこで俺に振られても反応に困るのだが。
「妙齢なのは確かかもしれないな」
「なるほど、それがミョーレイなのね!」
その金髪の見た目通りに、外国育ちなのかもしれないが、単にものを知らないだけなのかもしれない。
俺の嘘にコロッと騙されるその姿を見ると、なんだか申し訳ない気持ちになってきた。
「でもでも、見た目が少女ならやっぱり攫っちゃうんだから……」
そう言って赤マントをバサッと翻す少女。
その赤マントの下に着ていたのは、高級そうな、中世ヨーロッパの貴族が好んで着ていそうな上質な衣装だった。それはいかにもマントが似合う服装だった。
「そして、女の子を攫った後に抹殺する! それがわたしのロア、『夜霞のロッソ・パルデモントゥム』よ!」
ロッソ・パルデモントゥム。
………それが何語かは解らないが、きっと『赤マント』という意味だという事は理解できた。
そして、得意げに胸(といっても一之江並みにないが)を張って宣言している辺り、余程の自信があるということなんだろう。
「なるほど、振り向いたら必ず抹殺する私への挑戦とみました」
「うん! 『月隠のメリーズドール』、勝負よ??」
「いいでしょう。その勝負受けて立ちます。
っと、その前に……」
グサッ!
「切られた??」
「誰の胸がない乳ですか? 殺しますよハゲ」
「もう刺してるじゃねえか??」
刺されたことに抗議した俺だが、刺した張本人の一之江はいつもの無表情顔で言い放った。
「これはただの優しい準備運動ですよ、グリグリ」
「全然優しくない??」
グサッという痛みの後に、刺された痛みとは別の傷を抉られてるようなかなり激しい痛みが襲う。
「痛だだだだだっー!」
その痛みはそれから数分間続いた。
「さて、では始めましょうか」
「えっと……いいの?」
「心配いりません。そこのハゲは殺しても死なない『呪われた』男ですから」
「そう、ならいいわね!」
「いいわけあるかー??」
一之江のお仕置きを受けて床に倒れた俺を他所に戦う気満々な一之江と赤マント。
知らない人が一見すると、単なる喧嘩に見えなくもないが、実際問題。
これは殺し合いだ。
何故か俺の存在は蚊帳の外に置かれているが。
そんな風に、蚊帳の外に置かれている俺がどうしたもんかと悩んでいると。
「せやっ!」
痺れを切らしたのか、先に仕掛けたのは赤マントの少女だった。
その小さな体に似合いくらいの鋭いキックを一之江に放った。
どれくらい鋭いかというと、今の俺では視認することすら困難なくらい速くて、ハーフロアである一之江が
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