第ニ話。夜霞のロッソ・パルデモントゥム
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き渡った。
「間違いがありますね」
肘の辺りまでその空間に沈みかけているのにもかかわらず、一之江は穏やかな声でそう告げた。
「私は『美』少女です」
「「そこ重要なのかよ(なんだ??)」」
思わずツッコミを入れてしまった俺と、『赤マント』の少女の声が重なった。
「いやいやいや、でも、少女である以上は攫っちゃうんだから!」
「実はこう見えて、私の正体は妖艶な美女なのです」
「えっ、うっそ??」
『赤マント』のその手がピタっと止まった。
どうやらこの子、力はかなりあるが頭は残念なようだ。
一之江の嘘に翻弄されまくっている。
「ほら、モンジ。貴方も何か言いなさい」
「え? あー……うん。 ミョウレイノビジョ、ダヨ?」
「えええっ??」
「ていっ!」
『赤マント』の少女が驚きのあまりにその手を緩めた瞬間、一之江はその僅かな瞬間を見逃さずに『赤マント』の手を掴み、空間から引き抜いた。
「きゃわわわ??」
スポーン、とその空間から出てきたのは、赤いマントを羽織った少女だった。
「攫ってしまいました」
「なんと、わたしが攫われてしまったのね! そいつはビックリだわ!」
それはやたらと元気な女の子だった。
金髪のくるくるドリルヘアーが目印の、まだ幼さの残る顔立ちをした少女。
幼い顔立ちとは裏腹に、その表情には勝気さと自信に満ち溢れた、なんとも眩しい笑顔が彩られていた。
そして、その顔には見に覚えがあった。
「確か……十二宮中の女子トイレ前にいた」
「あ! あの時、女子トイレを盗撮していた変態ね!」
待て、誰が変態だ!
「盗撮なんかしてねえよ!」
「誤魔化そうとしてもそうはいかないんだからね! ちゃんと見てたんだから!」
じとー、とした目で俺を見つめる『赤マント』。
その目は完全に不審者を見つめる目だった。
「モンジは盗撮なんてしませんよ?」
チキショウ、美少女に盗撮犯扱いされるとは……。
さすがは不運に定評のある俺だぜ。
この状況をどうするか悩んでいると。
かなり珍しい事に一之江が助け船を出してくれた。
「モンジは盗撮ではなく、堂々と女子トイレ内を撮影するかなりの変態ですから」
「うわぁー、ド変態なのね!」
「どうせそんなことだろうと思ったよ??」
「ちなみに妖艶な私はとても可愛いらしい『美』少女でもあります」
「結局、どっちなんだよ??」
「って、やっぱり少女じゃん!」
俺がツッコミを入れるのと同時に、『赤マント』の少女は一之江の姿を見て抗議した。
「その通りです。ですが実は妙齢なのです」
「え、そうなの?」
嘘か本当か、確
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