転校生の時間・2時間目(2016/05/16 一部修正)
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まぁ、好きに呼んでくれたまえ」
「あと、殺センセーはビビり過ぎだろ!奥の手の液状化まで使ってんじゃねぇよ!!」
「いや、律さんがおっかない話をするから……。みっともない姿を見せてしまいましたね。はじめまして、ポチさん。ところで肝心の転校生はどちらに?」
「はじめまして、殺センセー。ちょっと性格とかが特殊な子でしてね。もうすぐ来ますよ。あと、私はポチではなくシロです」
「にゅやッ!?これはすみません」
「いえいえ、お気になさらず。こちら、つまらないものですが贈り物です」
俺達の前で殺センセーとポチは引っ越しの挨拶のような遣り取りをしていた。そして、ポチは一度口を閉じて教室を一通り見渡すと、再度口を開いた。
「皆、いい子そうですな。これならあの子も馴染めそうだ。ところであの子の席は何処になるんですか?殺センセー」
「うちのクラスは男子の数が多いということもあって、大変申し訳ありませんが女子の列に並んで頂くことになりそうです。今空いている席は最後尾の2つになりますので、そのどちらかと考えています」
「ふむ。……殺センセー。大変申し訳ないんですが、うちの子の席は自律思考固定砲台さんの隣にして頂けないでしょうか?」
「律さんの隣、ですか?」
「ええ。元々、あの子は彼女とコンビを組む予定でしたので」
「いや、しかしそれは―――」
「殺センセー。俺なら別に構わねぇよ。カルマと寺坂の間の席にでも移動するわ」
「イッキ君。そうですか?すみませんね」
殺センセーとポチの会話が聞こえていた俺は、自分から席の移動を進言した。まぁ、有希子のいる列に移動できたら、俺としても悪い話じゃないし。
「いや〜、本当に申し訳ない。あの子は人見知りでもありますから助かります。では、紹介しましょう。おーい、イトナ!入っておいで!!」
俺が席の移動を終えると、ポチが転校生の名前を呼んだ。イトナって名前なのか?珍しい名前だな。俺がそんなことを考えていると、転校生が教室後方の壁を突き破って入って来た。ってか―――
((((((((((ドアから入れ!!!))))))))))
この時、クラス全員の考えていることが一致した様な気がする。まぁ、俺もこの教室への現れ方が特殊だったから、人のことは言えないかもしれないけど。
「俺はこの教室の壁に勝った。俺の方が強いことが証明された。……それだけでいい。……それだけで」
……何、こいつ。薬の使い過ぎで頭がイっちゃてんの?目も何か無駄に血走ってるし。……取り敢えず、これが俺達E組と堀部糸成の初接触となった。
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