第四十三話 祝福と蠢く影
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苦しいよ」
折角幸せな瞬間に立ち会えたのにふと現状を思い出してしまうと喜ばなくなる自分が……私をそんな風にさせた神も『影響』も全てが嫌だった。
「ほう。それはまことか、」
「はい、まことでございます」
2人の男の声が聞こえてくるのは禍々しく、生命の温もりなど微塵も感じさせないような青白い炎に照らされた部屋だった。
「グランバニアに王子、王女が生まれたとなれば我ら光の教団が把握しておかなくてはな。計画の全ては任せておくぞ。お前のやり方で自由にやってよい」
「はい。ありがたき幸せ」
「グランバニア王子、王女の誘拐計画が固まったら俺に知らせろ。お前の計画通りに手下を動かす」
「わかりました。……あの、一つ言いたいことがあるのでございますが」
「ほう、なんだ。言ってみろ」
「ミレイという名の少女の存在でございます。まだ15なのに恐ろしいまでの強力な魔法の力を持っていまして新国王、新王妃とも仲が良く友の為ならその魔法力を振るうことを躊躇いもしないでしょう。だとしたらその少女も誘拐した方がよろしいと思うのですが」
「よく知らせてくれた、俺からゲマ様に知らせておこう。だが誘拐する必要は無い」
「何故でございますか!い、いえ失礼しました。それが貴方様の考えならば私は何も言うますまい。それではさらばです……ジャミ様」
1人の声が去るともう1人の声も去り、部屋に静寂が訪れた後青白い炎も消え部屋に暗闇も訪れた。
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