エピソード35 〜もけデュエル〜
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と舌を出して、笑うもけ夫の態度に軽く目眩を感じてしまう紫苑。
それほどにこの少年は要注意人物なのだ。
しかも、彼が来る事になった原因は今さっきまで行っていたデュエル。しかも、紫苑がファンサービスとばかりに召喚した『聖樹の守護獣ー牙王ー』の強力な力に興味を持ったからとの事。
ーーどれもこれもあのボンボンのせいだ!
「ところでさ。さっきまでなんか悩んでたみたいだけど、どうしたのさ。」
「……」
ピクリと肩が震え、紫苑の動きが停止する。
「もしかして、プロである事がばれたとか?」
ギクッ!
「もしかして、ちょ〜と、本気出したせいでみんなに引かれたとか?」
ギクギクッ!
「もしかして、それで後悔してたとか?」
「なんでそんなに正解ばっか、引き当てんのさ!?」
もけ夫は声を大きくして叫ぶ紫苑を見て、クスリと笑みを浮かべる。
「あはは〜、君とは結構付き合いが長いんだから。それくらいわかるよ。で?何があったのさ。話せば楽になるよ〜?」
ね〜?といまだエアトスに愛でられているもけもけに意見を求める。もっとも話がわかるわけなく、首……というより胴体ごと傾げる。
『キャー!コテンってしました!みました!?首コテンって!可愛いぃぃ!!』
「……エアトスェ」
「あはは〜、やっぱり君の精霊は皆元気だよね〜。昔から。」
もけもけがいくら可愛いと言えども限度があるだろう、エアトス?。
紫苑はもけもけにご執心でデレデレなエアトスを見て、頭を抱えてしまう。彼女のマスターとして、恥ずかしい。
「で、話を戻すよ?何があったの?」
「……うぐっ。」
少し口を開きかけるがすぐに閉じてしまう。少し考えた後、おもむろに口を開く。
「……俺なんかがアカデミアに居ていいのかな、って思ったんだ。
俺みたいな実力が周りよりもかけ離れた奴が居たら、迷惑なんじゃって……。」
『邪魔なんだよね、お前みたいな奴。』
金城が紫苑とデュエルをする前に放った言葉だ。
実際に言われてみて、初めて気づく。
この学園はデュエルを学び、強くなりたいと思う者が集う場所だ。プロである自分はふさわしくないのではないか、と。
「じゃあさ、デュエルしようよ。」
「へ?」
◆◇◆
茂木もけ夫と知り合ったのはだいぶ前になる。
確かプロなる前。
プロへとなるために各大会に積極的に参加し、勝ち星を獲得していた時に対戦相手の一人としてデュエルをしたのが初めて会った時の事だったはず。
結果的に紫苑は勝利したのだが、いつになく苦戦させられたのを覚えている。その後も大会で何度か顔を合わせ、会話をするうちにいつの間にか親しくなったのだ。そして、デュエルをした以外の要因にもう一つ。紫苑や翠と同様彼に
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