『世界断絶』−finish next history−
lost story1−『傲慢』−
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
e ulciscendumque compelleretur. 》
──"常世を統べる絶対者なり"──
──"今再び我は謳おう"──
──"我に仇成す総てを祓わん"──
『────"無限の光を束ねし剣"────』」
総てを照らす輝きが解き放たれ、万物を裂く剣が横一文字に薙ぎ払われた。
──勝てない
少なくとも、今のワールドの力では勝てない。
ワールドの持つ力は、時間と空間を操る異能、そして圧倒的な迄の基礎能力。どちらも、力を持つ者達の中でもトップクラスの異能。
だが、逆に言ってしまえば"それだけ"だ。
相手は全く同じ異能を持ち、加えてさらなる異能を持っている。
1人の平凡は2人の平凡に勝てない。
10000の天才は、20000の天才には勝てない。
それは、当然の理だ。
「world time……ッ!」
全世界の時を止める、たった一言が紡がれる。
空を流れる気流は静止し、天を覆う雲もその動きを止める。
だが、光の剣はその動きを止めない
「……ッ!──Quick time thousand burst!」
自らの肉体の時を、加速させる。その速度は、通常の1000倍。
ワールドの体が残像を残し、消え去った。
「遅いな」
ふと。
『8番』は。
ワールドの心臓を。
──貫いた。
「……け……は……ッ……??」
「時を操る我が力の前では、肉体の加速など全く意味のない事だ。『1番』の奴め、見誤ったな」
──強すぎる。
能力のみでもそうだが、経験も違いすぎる。
能力の使い方、体の運び方、相手の行動の予測、磨き上げられた技。
全てに於いて、ワールドのソレを凌駕している。
──痛み
ソレは、AIであったワールドとは無縁だったモノだ。
電気信号の集合体に痛覚など無い。故にワールドは痛みを知らない。
──これが、痛みか。
辛い。苦しい。不快感が全身へと広がり、耐えられないような激痛が心臓辺りから広がっていく。
正に、人間だ。
「……は、はは」
無意識に笑みが零れる。
そうだ。
俺は人間だ。
AIなんかじゃない。
時が巻き戻り、ワールドの傷が修復されていく。
やがて完治すると、ワールドはニヤリと笑った。
「まだだ……死んでたまるか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ